検索

2019年9月

Ⅰ.「日本版スチュワードシップ・コード」に対する取組み

当社は、「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を受け入れることを表明しております。スチュワードシップ・コードの原則1~原則7に対して、以下のように取組んでおります。

  • 原則1.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社の取組み:コンプライ

スチュワードシップ責任を果たすための方針

当社は、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いするため、安全性・収益性・流動性に加え、公共性を勘案した資産運用に努めております。

お客さまへのお支払いに備えるため、長期・安定的な資産運用を基本方針としており、株式投資にあたっては企業の収益性、安全性、成長性等を基準に投資判断を行い、投資先企業の企業価値向上を通じて中長期的に投資収益を獲得することを目指しております。

当社は、投資先企業の中長期的な成長、それがもたらす当社の投資収益の向上、ひいてはお客さまの利益に資することを目的に、スチュワードシップ・コードを受入れるとともに、投資先企業との対話活動や議決権行使等(以下、これらを総称して「スチュワードシップ活動」)への取組みを推進してまいります。

自己評価

2017年5月29日に公表されたスチュワードシップ・コード(改訂版)の内容を踏まえ、「スチュワードシップ責任を果たすための方針」を見直し、適切に対応できていると評価しております。引続き、見直しが必要と判断した場合には、適宜、当該方針を見直してまいります。

  • 原則2.機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社では、「利益相反管理基本方針」を定め、保険業法および金融商品取引法等を踏まえ、お客さまとの取引に伴う利益相反により、お客さまの利益を不当に害することのないよう、法令および当社規程等を遵守し、適切に業務を管理・遂行しております。

スチュワードシップ活動を行うにあたっては、お客さまの利益を第一として行動し、利益相反を適切に管理することを目的に以下の「スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針」を定めております。

スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針

1 保険契約等の取引が多い投資先企業への議決権行使にあたって、保険契約等への影響を考慮し、賛否判断が歪められる懸念がある事象
2 代理店として保険販売が多い投資先企業への議決権行使にあたって、保険販売への影響を考慮し、賛否判断が歪められる懸念がある事象
3 当社の株主である投資先企業への議決権行使にあたって、賛否判断が歪められる懸念がある事象
4 当社常勤の役員・従業員が取締役・監査役を兼務している投資先企業への議決権行使にあたって、賛否判断が歪められる懸念がある事象

当社は、利益相反の防止に向け、スチュワードシップ活動上の対話活動や議決権行使の賛否判断に関するプロセスを運用部門内で完結する体制を構築しております。

議決権行使については、「国内株式議決権行使規程」に基づいて賛否判断を実施するとともに、①「国内株式議決権行使規程」の重要な改定および②「国内株式議決権行使規程」に定めた基準に該当した議案、かつ、(1)スチュワードシップ活動に重要な影響を及ぼす利益相反が生じ得る主な局面に該当した議案(以下、「利益相反の観点からの重要議案」)の賛否案については、メンバーに利益相反管理統括者であるコンプライアンス統括部長を含む「スチュワードシップ活動推進会議」で事前に協議しております。

<スチュワードシップ活動推進会議の概要>

目的 お客さま利益の確保や利益相反防止およびスチュワードシップ活動全体の充実・促進等に関する事項の協議または報告
構成 運用統括部長(議長)、市場運用部長、特別勘定運用部長、コンプライアンス統括部長(利益相反管理統括者)
付議
事項

【協議事項】

  • 議決権行使における重要議案の賛否案
  • 国内株式議決権行使規程の重要な改定
  • 「『日本版スチュワードシップ・コード』への対応について」(当該ホームページ内容)の更新案

【報告事項】

  • スチュワードシップ活動の取組み状況
開催 原則、年3回

また、スチュワードシップ活動の取組み状況等を経営会議や社外取締役・社外監査役が参加する取締役会に報告することで、経営陣と事実認識および課題認識を共有しております。

自己評価

スチュワードシップ・コード(改訂版)の内容を踏まえ、「スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針」を見直すとともに、「スチュワードシップ活動推進会議」の結論として、利益相反を疑われる議決権行使は行われていないことを確認しており、適切に対応できていると評価しております。引続き、「スチュワードシップ活動推進会議」の運営や経営陣との事実認識・課題認識の共有等を通じて、適切な利益相反管理に努めてまいります。

  • 原則3.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社は、スチュワードシップ活動を担当する部署に株式投資に関する十分な実務経験や専門知識を備えた人材を配置し、投資先企業との対話や情報収集等を通じ、投資先企業の業績等の財務情報だけでなく、事業戦略や中期経営計画に加え、環境・社会・ガバナンス(ESG)等の非財務情報についても適切に把握できるよう努めております。

また、継続的かつ実効的な投資先企業の状況把握を行うよう、必要に応じて「スチュワードシップ活動推進会議」でスチュワードシップ活動の取組み状況を報告するなど適切な確認に努めております。

自己評価

投資先企業の状況を適切に把握するため、各種の情報収集や説明会等への参加、対話を継続して行っており、投資先企業の持続的成長に向けたスチュワードシップ責任を適切に果たしていると評価しております。引続き、投資先企業の財務情報や非財務情報を適切に把握できるよう努めてまいります。

  • 原則4.機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社では、建設的な対話を通じて投資先企業の企業価値向上に貢献し、投資収益の拡大に繋げることを目指しております。

対話活動を実施する対象企業については、重要性の観点から選定しております。具体的には、当社の投資規模が大きい投資先企業や、企業価値向上の観点から課題を有し、改善状況のモニタリングが必要と判断した投資先企業等を対象企業に選定し、対話活動に取組んでおります※。

対話活動のアプローチとして、日常的な調査・分析活動、IR部署とのディスカッション、議決権行使等を通じ、主に以下のテーマに関する課題認識を共有するための建設的な対話を実施しております。

<投資先企業との対話に関する主なテーマ>

事業環境、経営・成長戦略(中期経営計画等)、財務戦略(手元資金の使途等)、収益性(決算内容、ROE等)、株主還元方針(望ましい還元手段や内部留保とのバランス等)、ESG など

なお、当社は、公表された情報をもとにスチュワードシップ活動を行っており、未公表の重要な事実を受領することを目的に対話活動等を行うことはありません。万が一、投資先企業から未公表の重要な事実を受領した場合には、法令等に従い、速やかに必要な措置を講じることとしております。

自己評価

対話活動を通じて、投資先企業との認識の共有を図り、問題点の改善に努めていると評価しております。引続き、投資先企業との継続的な対話活動を通じて、質・量の両面で取組み強化に努めてまいります。

  • 原則5.機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社は、議決権行使にあたっては、投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、中長期的な投資収益の向上に資することを目的に以下の「議決権行使と行使結果の公表に関する方針」を定めております。

議決権行使と行使結果の公表に関する方針

<国内株式議決権行使規程の主な内容>

主な項目 主な内容
剰余金処分
  • 当該剰余金処分が、企業の成長段階や事業特性、資金需要等に応じた適切な株主還元であるか、配当性向が一定水準(直近3期連続15%未満、または100%超)となっていないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
取締役選任(解任)
  • 当該候補者が、経営等に関する豊富な経験や専門的な知見を活用し、適切な監督機能を発揮できるか、ROEが一定水準(直近3期連続5%未満)となっていないか、不祥事(反社会的行為もしくは社会的信用失墜行為等)が生じていないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
  • また、社外取締役候補者については、外部の独立した立場で適切な監督機能を発揮できるか、役員会への出席率が70%以上か、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
監査役選任(解任)
  • 当該候補者が、経営等に関する豊富な経験や専門的な知見を活用し、適切な監査機能を発揮できるか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
  • また、社外監査役候補者については、外部の独立した立場で適切な監査機能を発揮できるか、役員会への出席率が70%以上か、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
定款一部変更
  • 当該定款変更が、中長期的な企業価値向上に資するか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
役員報酬改定
  • 役員報酬の増額改定が、業績不振(ROEが直近3期連続5%未満となっていないか)や不祥事(反社会的行為もしくは社会的信用失墜行為等)が生じている等、中長期的な企業価値の毀損が懸念される状況で行われていないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
株式報酬付与
  • 当該株式報酬の付与対象者が、社外者ではないか、インセンティブを付与する者として適切であるか、また、株式の発行が、既存株主の株式価値を著しく希薄化させるものではないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
会計監査人選任(解任)
  • 当該会計監査人の選任(解任)が、中長期的な企業価値を毀損するものでないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
組織再編関連※
  • 当該組織再編関連が、中長期的な企業価値向上に資するか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
企業買収防衛策
  • 株主の株式価値を著しく毀損させるものではないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
その他会社提案 (自己株式の取得)
当該自己株式の取得が、特定の者の利益にならないか(その他株主の株式価値を著しく毀損させるものではないか)、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。
(新株発行、増資、減資等)
当該資本政策が既存株主の株式価値を著しく希薄化させるものではないか、という視点等を勘案して賛否判断を実施いたします。

「国内株式議決権行使規程」の基準に基づくスクリーニングの結果、スクリーニングに該当しない議案については、原則、賛成いたします。

「国内株式議決権行使規程」に基づくスクリーニングの結果、スクリーニングに該当する議案については、必要に応じて投資先企業との対話により課題解決の取組み状況を確認するなど個別企業の状況を踏まえた上で賛否を判断いたします。

具体的には、投資先企業の課題解決に向けた取組みを評価できる場合には議案に賛成し、課題解決に向けた取組みを評価できない場合や改善が期待できないと判断した場合には議案に反対いたします。なお、議案に賛成した場合でも、改善状況のモニタリングが必要と判断した場合には、事後的に投資先企業と課題認識の共有化を実施いたします。

<議決権行使プロセス>

自己評価

スチュワードシップ・コード(改訂版)の内容を踏まえ、「議決権行使と行使結果の公表に関する方針」を見直し、議決権行使の考え方やプロセスおよび行使結果の公表について適切に対応できていると評価しております。「国内株式議決権行使規程」は、企業を取り巻く外部環境等を踏まえ、必要に応じて、適宜見直してまいります。

  • 原則6.機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社では、お客さまに当社のスチュワードシップ活動全体を的確にご理解いただく観点から、ホームページにて当社の基本的な考え方や方針、プロセスなどスチュワードシップ活動全体を開示しております。

また、投資先企業との対話や議決権行使における具体的な取組み状況についても更新し、報告に努めております。

自己評価

「『日本版スチュワードシップ・コード』への対応について」を更新し、適時・適切に報告を実施できているものと評価しております。引続き、お客さまに的確にご理解いただけるよう、スチュワードシップ活動全体の開示の充実に努めてまいります。

  • 原則7.機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

当社の取組み:コンプライ

当社は、投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長に資するための体制整備や人材育成等により、機関投資家としての実力の向上に努めております。
当社の経営陣も、スチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるために体制整備や人材育成が重要であると認識しており、こうした取組みを積極的に推進しております。

また当社は、自らのスチュワードシップ活動の実効性向上に向けて、毎年、取組み状況の自己評価を行い、その結果をホームページ上で公表いたします。

自己評価

スチュワードシップ・コード(改訂版)の内容を踏まえ、ガバナンスの強化や利益相反管理の強化、スチュワードシップ活動全体の開示の充実等に取組むとともに、自己評価の実施・公表と併せて適切に対応できていると評価しております。引続き、体制整備や人材育成に取組み、スチュワードシップ活動の実効性向上に努めてまいります。

Ⅱ.当社のスチュワードシップ活動について

当社は、お客さまに対して、議決権行使結果に加え、投資先企業との対話活動も含めたスチュワードシップ活動全体を的確にご理解いただくことを目的に、以下のとおり当社のスチュワードシップ活動の取組み状況を報告いたします。

当社では、投資先企業の企業価値向上に資するよう、投資先企業との定期的な面談や株主総会の議案に係る意見交換の機会を利用し、建設的な対話を行っております。2018年度(2018年7月~2019年6月)においては、50社・87件の対話活動を実施いたしました。具体的な対話活動の事例は以下のとおりです。

(事例①)
当該企業は、近年業績が低迷し無配となっておりました。そのような状況下、具体的なコスト削減、価格値上げ、新規取引の動向等について対話を継続してまいりました。2018年度には中期経営計画で掲げた取り組みが着実に進捗し、利益目標を前倒しで達成するなど好調な決算発表とともに復配が公表されました。今後も足元の動向に加え、投資方針、資金調達手段等も含め、引き続き対話を続けてまいります。

(事例②)
当該企業は、主力事業の回復や構造改革により黒字転換を果たしたものの、足元では海外を中心とした事業環境や市況の悪化により、受注減などの課題に直面しております。従前より、事業ポートフォリオの見直し等について意見交換を行ってまいりましたが、引き続き、収益構造改革の進捗、新たな成長分野への事業拡大に向けた取組み等についての対話を通じ、業績改善状況等を継続的に確認してまいります。

(事例③)
当該企業は、原料素材から加工度の高い商品まで取り扱うなど事業の多角化が進み業績は安定していますが、成長余地が乏しくなりつつあるとの認識の下、今後の成長戦略やESG関連のテーマについて対話を行ってきました。成長戦略については、海外での生産動向、省力化投資、資金調達の考え方等を、ESG関連では取締役会の運営状況や、SDGsへの取り組みなどについて議論を行っています。また、当該企業は中期経営計画を開示していませんが、今後も意見交換を行い、継続して同計画の開示を行うことを要請していきます。

(事例④)
当該企業は、主力事業について業績不振から改善の兆しが見え始めたものの、追加損失の発生により再び厳しい業況となりました。構造改革の動向や足元の受注・進捗状況等を中心に対話を続けてまいりましたが、厳しい事業環境下において本格的な収益の回復には時間を要するものの、安定的な受注残や受注価格の底打ちによる反転の可能性、追加損失となった事象についての対応・対策について認識を共有いたしました。今後は足元の業績はもとより、中長期視点での事業基盤再構築、資本及び財務戦略、株主還元方針等について対話を続けてまいります。

(事例⑤)
当該企業は、外部環境の変化により主力事業が低迷しており、構造改革や成長戦略の進展について対話を継続しております。対話の中で、多角化を進めたものの不採算となった事業の廃止や人員配置の見直しなどについての取組みを確認いたしました。その後、直近の決算ではコスト削減が進み、会社計画を上回る営業利益を達成しております。また当該企業は近年、統合報告書の作成を開始しておりますが、他社事例を交え掲載内容等について意見交換を行っております。

2018年度(2018年7月~2019年6月)に株主総会が開催された国内上場企業のうち、当社の議決権行使の対象企業数は679社、議案数は会社提案が2,316議案、株主提案が97議案でした。会社提案に1件以上反対した企業数は12社、議案数は12議案、株主提案に賛成した企業数は1社、議案数は2議案となりました。

<議決権行使の状況(企業数ベース)>

(社)

  合計  
会社提案に全て賛成 会社提案に1件以上反対
対象企業 679 667(98.2%) 12(1.8%)

<議決権行使の状況(親議案数ベース)>

(議案)

  合計  
賛成 反対
会社提案 2,316 2,304(99.5%) 12(0.5%)
 剰余金処分 484 482(99.6%) 2(0.4%)
 取締役選任分 776 769(99.1%) 7(0.9%)
 監査役選任分 500 500(100.0%) 0(0.0%)
 定款一部変更 146 146(100.0%) 0(0.0%)
 退職慰労金支給 35 35(100.0%) 0(0.0%)
 役員報酬改定 165 164(99.4%) 1(0.6%)
 新株予約権発行 149 149(100.0%) 0(0.0%)
 会計監査人選任 8 8(100.0%) 0(0.0%)
 組織再編関連 ※1 18 18(100.0%) 0(0.0%)
 その他会社提案 ※2 35 33(94.3%) 2(5.7%)
(うち買収防衛策) 18 16(88.9%) 2(11.1%)
  合計  
賛成 反対
株主提案 97 2(2.1%) 95(97.9%)

当社では、中長期的な視点からコーポレートガバナンスに課題のある議案や企業価値の毀損に繋がるおそれのある議案について、個別企業の状況を把握することに注力いたしました。このような取組みを経て、議決権行使判断に至った主な事例は以下のとおりです。

(事例①)
当該企業は、社外取締役が不在であるため、コーポレートガバナンスに対する考え方を中心に確認を行い、株主総会時には社外取締役の選任を要望してまいりました。同社は社外取締役の有用性やガバナンスの重要性を認識しているものの、適任者が見つからない状況下では、当面、監査役会の機能をより一層強化・充実させることで取締役会の監査機能強化を図ることが企業価値の向上につながるとし、社外取締役を選任しませんでした。社外取締役不在であるという状況が改善しなかったため、取締役選任議案に反対いたしました。

(事例②)
当該企業における一部の社外取締役の取締役会への出席率が、一定水準以下にとどまっていたため、出席率改善に向けた方策や、取締役会に出席し議論に参加することの重要性などについて対話を行いました。当初、当該企業は事前の資料配布や意見聴取により問題はないとの認識を示していましたが、その後の取締役改選を経て、社外取締役の取締役会出席率が改善されたことを確認いたしました。こうした状況の改善を踏まえ、取締役選任議案に賛成いたしました。

(事例③)
当該企業は、公正取引委員会の調査結果により、行政処分を受けました。これを受け当該企業は、コンプライアンス意識と法令に対する理解度向上を促進するため、法令遵守の行動基準を継続的に周知徹底することや、モニタリングの実施、研修の実施などの再発防止に向けた取組みを実施しています。こうした対応状況の詳細及び、当該企業の再発防止に対する真摯な姿勢を、対話を通じて確認できたため、取締役選任議案に賛成いたしました。

(事例④)
当該企業は、主力事業の需要が急速に落ち込むなど厳しい経営環境下にあり、ROEが一定水準を下回っていたため、ROE向上への取組みについて対話を行いました。当該企業との対話の中で、成長分野へ積極的に経営資源を投入し新事業の創出をはかるとともに、グローバルな事業展開を加速していること、また各事業において構造改革を遂行しており、最適生産体制の整備を進めていること等を確認することができました。ROEが一定水準を下回る状態ではあったものの、諸対応を進めていることを考慮し、取締役選任議案に賛成いたしました。

(事例⑤)
当該企業は、工場における不適切な事例から、行政処分を受けました。当該企業は、新たに安全管理責任者を任命し管理体制の技術的見直しを行ったほか、外部専門家の協力を仰ぎ原因究明と安全意識の徹底、コンプライアンス教育の強化による再発防止を図りました。当該企業との対話では、不正を発生させない業務手順への変更、業務処理能力に応じた適切な工事投入計画の策定などの対応状況について説明を受け、意見交換を行いました。再発防止に対する取り組みに加え、一連の情報開示姿勢や業績への影響も踏まえ、取締役選任議案に賛成いたしました。

当社は、2017年度に、お客さま利益の確保や利益相反の防止、及びスチュワードシップ活動全体の充実・促進等に向けて、「スチュワードシップ活動推進会議」を新たに設置いたしました。
[詳細につきましては、スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針の(2)をご参照ください。]

2018年11月~2019年9月における、同会議での主な付議内容は以下の通りです。

〇2019/1
・国内株式議決権行使規程に定める重要議案の賛否案について協議

〇2019/2
・2019年度のスチュワードシップ活動方針について協議
・業務効率化に向けたシステム導入の検討

〇2019/3
・議決権行使結果の対外開示(個別開示)について協議
・国内株式議決権行使規程の改定について協議
・今後のESG取組みの方向性について協議

〇2019/6
・国内株式議決権行使規程に定める重要議案の賛否案について協議

〇2019/9
・対外公表内容の更新案について協議

今後もスチュワードシップ活動推進会議での議論を通じて、スチュワードシップ活動の一層の充実に努めてまいります。