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健康コラム

Vol.93

多種多様な不整脈 正しく知って適切に対処
心臓の拍動に異常が生じる病気の総称

2022.03.01

大半は治療の必要なし 一部に危険なタイプが

不整脈は、急性心筋梗塞や狭心症、心不全などと並ぶ代表的な心臓病です。心臓の病気と聞くと、構える人が多いと思います。実際、全身の臓器に血液を通じて栄養や酸素を送るという大切な役割を担う心臓の“健康”には注意しなければなりません。

ただし、不整脈は一部に突然死を引き起こしたり、脳梗塞などの深刻な合併症を引き起こしたりする危険なタイプがあるものの、大半は命にかかわる危険がなく、安心していいタイプです。いたずらにおそれず、よく理解したうえで適切に対処してほしいと思います。

心臓は胸のほぼ中央にあり、収縮と拡張を繰り返して、全身に血液を送り出しては再び戻すというポンプのような働きをしています。この収縮と拡張の繰り返しを「拍動」と呼び、それを起こしているのが電気による刺激です。心臓の筋肉は電気の刺激を感じると収縮し、刺激がなくなると拡張します。

不整脈は心臓の拍動に何らかの異常が生じる病気ですが、それは電気刺激の発生や伝達などの「電気系統」に何らかの不具合が生じることで起きています。不整脈の発見に、心臓のなかを伝わる微弱な電流を感知する心電図検査が欠かせないのはこのためです。

不整脈の主なタイプ

さて、不整脈は大きく3つに分類されます。心臓の拍動のリズムが乱れる「期外収縮」、心臓の拍動が遅くなる「徐脈性不整脈(徐脈)」(1分間あたり心拍数が50回未満)、逆に拍動が速くなる「頻脈性不整脈(頻脈)」(1分間あたり100回以上)です。

期外収縮は不整脈のなかで最も多く、いわゆる脈が飛んだように感じるタイプの不整脈です。健康な人にも多くみられ、大半は治療の必要がなく、心配は要りません。ただし、心筋梗塞など心臓病の持病がある人は注意が必要です。

徐脈性不整脈は電気刺激の発生頻度が低下したり、途中で遮断されるなどして起きるものです。代表的なタイプが、電気を発生させる洞結節という部分の機能異常が原因の「洞不全症候群」で、重度の場合、一時的な心停止で失神を起こすことがあり、ペースメーカの植え込みなどの治療が必要になるケースもあります。このほか、電気の伝導経路が遮断される「房室ブロック」も重度の場合、治療が必要です。

これらに対し、頻脈性不整脈は突然死につながるものや重篤な脳梗塞などの合併症を招くものから、放っておいて心配のないものまで多くのタイプがあり、一番注意を要する不整脈です。次回、詳細をお伝えしたいと思います。

清水 渉

監修/清水 渉

日本医科大学大学院医学研究科循環器内科学分野教授。広島大学医学部卒。国立循環器病研究センターを経て現職。

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