Vol.59
まだ間に合う!年末までにやっておきたい家計のツボ
2018.12.01
年末が近づくと、何となく気ぜわしい気分になって忘れがちですが、家計の観点からぜひやっておきたいことが4つあります。「年末までにやっておけばよかった…」と、新年を迎えてから後悔することがないよう、すっきりクリアして新年を迎えたいものですね。
*税金に関する内容のため、所得税・住民税を納めている世帯が対象です。
■ふるさと納税は年末ぎりぎりまで可能
ふるさと納税は、応援したい自治体を選んで納税する制度です。名称に「納税」とついているものの、仕組みとしては「寄付」で、確定申告をすることで寄付金控除を受けることができます。そのため、自治体に対する寄付金から2000円を引いた額が控除され、所得税や、いま住んでいる自治体に納める住民税が下がります。
テレビ番組などで取り上げられる機会も増え、ふるさと納税がかなり人気(2017年度3653億円)となっているのは、何といっても返礼品が豪華だからでしょう。個人的にも、昨年初めてウナギや牛肉を頂戴しました。
ふるさと納税の期間は1月1日~12月31日です。ですので、今年中にふるさと納税を行うには、2018年12月31日までに寄付をしなくてはなりません。しかも、自治体に着金する必要があります。クレジットカードなら、決済日が寄付日になる可能性が高いものの、振込は時間や曜日でズレが発生することも。また、自治体で「12月〇日まで」と最終着金日を指定していることもあるようですので、確認してから実行しましょう。
ふるさと納税を行うと、翌年3月15日までに確定申告を行う必要がありますが、「ワンストップ特例制度」を使えば、会社員・公務員で確定申告が不要な人は、5か所までのふるさと納税は、自治体へ特例適用の申請書を提出(翌年1月10日必着)するだけで済みます。ワンストップ特例を利用する場合は、申請書が間に合うよう準備する必要があります。
余談ですが、2008年にスタートした当初の返礼品は市長さん直筆のお礼状か、あっても自治体の特産品や工芸品、自治体内で使える少額の商品券などでした。その後、自治体間の競争が激化する中、特産品であっても返礼率が6割、8割などに高まったり、自治体と無関係のビールや海外旅行券、商品券、家電などを返礼品として寄付を集める自治体まで登場し問題となりました。
そこで、総務省は返礼品について「(寄付額の)3割まで。地場産品に限る」というルールを自治体に通知し、違反する自治体への寄付は、ふるさと納税として認められなくなる法改正が準備されています。早ければ2019年4月から適用されるとみられています。
返礼品が縮小するからというわけではありませんが、「毎年、忘れちゃうのよね」という方は、出身地や応援したい自治体を選んで、今年こそふるさと納税を行ってみては?
【参考コラム】ふるさと納税で応援したい自治体をサポートしてお礼をゲット
■医療費控除がぎりぎりなら、年内に歯の治療を済ませよう!
医療費控除に関して、確定申告の時期にチェックをして、「あー、もうちょっとだけ足りなかった」といった経験をされた方もいるのでは? どうせならチェックは年内に行い、あと数千円程度で控除が受けられそうなら、必要な通院があれば年内に行ってしまうというのも1つの方法です。
現在、利用できる医療費控除には2つあります。
□医療費控除
1年間に支払った医療費の合計が10万円(所得200万円以下は所得の5%)を超えた場合に、その超えた分を所得から控除できます。
□医療費控除の特例
「セルフメディケーション税制」といわれます。該当する市販薬を、1万2,000円を超えて購入した場合に、超えた分の額が所得控除されます(最高8万8,000円まで)。
病院で支払った医療費や、かかった交通費のメモ、ドラッグストアなどで買った医療費のレシートはまとめて封筒などに入れてあれば良いのですが、そうでない場合は、ありそうなレシートの山から探してみましょう。いずれやらなくてはならないことですので、何とか時間を作って年内にやってみてください。家族全員の分が該当します。
医療費控除がぎりぎりで対象にならない場合は、いつもの通院を年内にしてもらったり、あるいは歯医者など行かなくてはならないのに先送りしていた病院があるなら年内に通ってしまうのも手です。医療費控除の特例なら、常備薬で切れているものがあれば、市販薬を買っておくなども(不要な治療や不要な薬を購入するのはNGです!)手です。
特例の「セルフメディケーション税制」を利用する場合、同じ年度内に定期健診(職場の健診も可)や特定健診、がん検診、予防接種などを受けていることも条件となりますので、その点もクリアされているか、確認しましょう。レシートはそろっているのに、健診を忘れていた!ということがないようにしたいものですね。なお、確定申告の際には、この健診などを受けたことを証明する書類なども必要ですので、書類も用意しておきましょう。
【参考コラム】
■続々届く確定申告関係の書類を整理しておく!
10月末頃から、保険会社や銀行、証券会社などから書類が送られてきますが、これらの書類を整理しておくと、確定申告の時期にラクです。会社員の場合は年末調整が先に行われますが、書類を整理しておけば、その際にもスムーズです。
これらの書類が行方不明になると面倒ですので、届いた段階でファイルに入れるなどして整理しておきましょう。このほかにも、所得を証明する書類も届きますので、しっかり保管しておきましょう。
上記の*が付いたものは、本来は職場の年末調整で処理してもらうものですが、年末調整で提出し忘れたものがある場合は、確定申告を行えば納めすぎた税金の還付を受けることができます。
■配偶者や子を扶養に入れるつもりなら所得もチェック
このほかにも、妻がパートやアルバイトで働いている場合は、配偶者控除や配偶者特別控除の対象になるかどうかを確認してみましょう。本人の所得と、配偶者の所得を確認する必要があります。もし、ぎりぎりで控除対象にならず、家計への影響が大きい場合は、パート先に頼んで12月の働き方を調整してもらうのも一法です。
また、意外に盲点となるのは、高校生・大学生の子どものアルバイト収入です。103万円を超えると親の側で扶養控除が適用されませんので、超えることがないよう、12月のシフトを入れる前にチェックしておきたい項目の1つです。
【参考コラム】
後悔先に立たずといいます。何かと慌ただしい12月ですが、ちょっとだけ家計のことにも頭を使えば、気持ちよく新年を迎えることができるのでは?
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