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マネーコラム

Vol.60

2019年、消費増税でどうなる?どうする?わが家の家計

2019.1.10

元号が変わって気持ちも一新。東京オリンピックへのワクワク感も高まる2019年ですが、10月には消費増税が待ち受けます。実際には、手厚い景気対策が取られるため、今年はさほど痛みを伴わないかもしれません。しかし、増税は増税ですので、長期的には家計への影響があることもお忘れなく!

■2019年10月に消費税が10%へ

延期されてきた消費増税がついに2019年10月に実施され、消費税が8%⇒10%へと上昇します。物やサービスを買うと1割の税金がかかる時代になるので、負担は決して軽くありません。

増税前を基準に考えると、2%の上昇は、消費税がかかる支出が月20万円の人なら月4,000円(年4.8万円)、30万円なら月6,000円(年7.2万円)の増加となります。少なくともその分は節約など、何か手を打たなければ、長期的には影響が出るでしょう。

ちなみに、次のようなものにはもともと消費税はかかりません。
・保険料
・住宅の家賃
・土地、中古住宅(業者から買う場合は建物部分はかかります)
・個人間の取引(車などもオークションなどで個人間なら非課税)

個人間の取引は消費税がかからないため、これからさらに、ネットでの個人間売買が広がるかもしれませんね。

■軽減税率や低所得層などへの対策は?

政府は、低所得層や子育て層、低年金の高齢者層に配慮するために、軽減税率やプレミアム商品券、キャッシュレス決済によるポイント還元などを打ち出しています。それぞれの概要を見ておきましょう。

<軽減税率>
一部の商品は8%のままの軽減税率が適用されます。対象となるのは、「飲食料品(酒類や医薬部外品、外食を除く)」と「定期購読される新聞」です。レストランや寿司店で食事をすると税率は10%ですが、その店からの宅配や出前、テイクアウトは8%です。スーパーの食料品売り場で販売されていても、みりん(酒類)や栄養ドリンク(医薬部外品)は10%、といったこともあるので注意しましょう。

<プレミアム付き商品券>
住民税非課税世帯や2歳以下の子どもがいる世帯、低年金の高齢者のみ購入できるのが、プレミアム付き商品券です。最大2万5,000円分の買い物ができる商品券を2万円で買えます。ただし、商品券は2020年3月までの半年間の間に使わなくてはなりません。

<キャッシュレス決済時のポイント付与>
消費税増税後は、クレジットカードや電子マネーで代金を支払うと、中小型店なら5%、大手系列のフランチャイズ店は2%のポイントが付与が検討されています。この分は税金が還元される形です。期間は2020年6月までの予定。

<マイナンバーカードによる自治体ポイント付与>
マイナンバーカードを持っている人を対象に、地域の商店などで使える「自治体ポイント」の付与も検討されています。マイナンバーカードを作る人が増えそうですね。

該当する制度は上手に活用して、増税の影響を抑えたいものですね。

■景気対策として住宅ローン控除の拡大なども!

政府は、消費増税をきっかけに景気がダウンすることがないようにと、影響の大きな買い物である「住宅」に関して、手厚い対策をとっています。

<住宅ローン控除の延長>
現在は、年末残高に応じて最大で年間40万円(長期優良住宅などは最大50万円、消費税がかからない中古などは最大20万円)の減税が10年間受けられますが、消費税率10%が適用された売買の場合、2019年10月から2020年12月末までに入居する住宅は、住宅ローン控除期間が3年延長される見込みです。11年目以降は、ローン残高の1%か、建物購入価格(一般4,000万円、認定住宅等5,000万円まで)の2%を3年で割った額のいずれか低い方が適用されます。

2019年10月~2020年12月末までの住宅ローン控除

<すまい給付金>
現在、年収510万円以下の人に最大30万円給付されていますが、増税後は年収775万円以下の人を対象に最大50万円と拡充されます。

このほか、省エネ・耐震機能に優れた新築住宅を購入したり、リフォームした場合にポイントが付与される「住宅エコポイント」も復活すると見込みです。手厚い対策が取られるため、住宅を増税前に駆け込み購入するメリットはなさそうです。あわてて駆け込む必要はなく、家計の予算を見極めてじっくり物件選びをしたいものです。

■消費増税を財源として幼児教育・保育無償化もスタート

もう1つ、消費増税に伴う大きな変化があります。消費増税分を財源とする形でスタートする、「幼児教育・保育の無償化」です。その概要は次の通りです。

<幼児教育・保育の無償化>
認可保育所や幼稚園に通う3~5歳児や、住民税非課税世帯の0~2歳児の保育料は、2019年10月から、原則無料になります。認可外の保育所やベビーシッターなどでも、自治体が保育の必要性を認定した世帯の場合、月3万7,000円(0~2歳児は月4万2,000円)を上限に補助されます。

子どもを預けて夫婦で働く共働き世帯にとっては大きなメリットがありますね。

■増税に負けない家計へ!

冒頭にも書きましたが、当面は様々な対策で消費増税によるインパクトは感じられないかもしれません。ですが、長期的には真綿で絞めるように確実に家計に影響してくるものと考えられます。

キャッシュレスのポイントに踊らされず、支出削減や収入増を図る努力も怠らないようにしたいものです。

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