Vol.69
マネーコラム

60代でもキャッシュレス決済に挑戦!税金のポイントをゲットしよう

  • 当社からファイナンシャルプランナーの先生等に依頼し、執筆いただいた記事を掲載しております。
  • 各コラム内の情報は掲載当時の情報です。

2019年10月1日から消費税がアップしました。負担軽減策として政府が行う事業の1つがキャッシュレス・ポイント還元事業です。複雑な内容ですが、いつもの店が対象店になっているなら、ぜひ何かキャッシュレス決済をできるようにしてみては?

■2020年6月までのポイント還元は税金が原資!?

2019年10月1日から消費税が8%⇒10%にアップします。キャッシュレス・ポイント還元事業は、この影響を少しでも軽減するとともに、国際的に遅れているキャッシュレス決済を促進する目的で導入されるものです。

2020年6月末まで、下のマークがついた対象店舗でキャッシュレス決済をすると2%または5%のポイント還元を受けられます。しかも、このポイントの原資は税金なのです。

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ポイント還元率は次の通りです。

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例えば、増税後に対象店舗で10,000円(税別)の買い物をした場合、次のようになります。消費税を含め11,000円になりますが、支払い方法や店舗の規模でオトク度が違ってきます。

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決済をすれば増税分がほぼ還元され、5%還元の店なら3%分がプラスになります。ポイント還元を受けられる店であれば、増税後の方が実質的に安くなるわけです。

キャッシュレス・ポイント還元事業は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド)、QRコードなどが対象になっています。

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決済方法を選ぶ際には、還元方法がどうなっているのかで選ぶことも大事です。還元方法には次のように4つのタイプがあります。

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このほか、不正利用などがあった場合に補償があるかどうかといった点も確認しましょう。

■普段利用する店の動きをチェック

詳細を知れば知るほど複雑な印象で、キャッシュレスにあまりなじみがなかったり、スマホを持っていない、あるいは最小限の利用しかしていない高齢者にはやや不利な仕組みといえそうです。しかし、キャッシュレスは今後広がっていくであろうことを考えると、可能なら、自分で管理できる範囲で、キャッシュレス決済に挑戦してみるのもいいかもしれません。
60代以上で始めるのであれば、今利用している銀行でデビットカードを作るか、電子マネー(プリペイド型)が利用しやすいかもしれません。スマホユーザーならQRコードも可能でしょう。現在保有しているクレジットカードももちろん、利用できますね。
できれば、家族に詳しい人がいて、サポートを受けられる状態で始めるのが望ましいです。

すでに登録された対象店舗が、専用ページなどで公表されていますが、10月1日時点では、中小店舗のうち3割程度の店がキャッシュレス・ポイント還元事業の対象としてスタートしています。

まずは、自分が普段使っている周囲の店舗の動きなどを確認してみましょう。前述のとおり、キャッシュレスの方法にもたくさんありますので、普段よく使う店1、2店舗に絞ってポイント還元を受けられるようにするのも手です。

普段利用している店舗が対象店となっていて、いずれかのキャッシュレス決済を導入し始めていれば、その中で利用できるもの、管理がしやすいものを活用するといいでしょう。まずはリサーチです。

■おわりに

いくら「オトク」といわれても、キャッシュレス決済の手段を増やせば増やすほど、家計管理が複雑になりがちです。そのため、そもそも家計管理が苦手な人や、スマホの扱いなどに慣れていない人は、慎重に取り入れたいものです。不安を感じるのであれば、あえて利用しないという選択もあります。
一方で、キャッシュレス・ポイント還元では「税金」が使われますので、公平に還元を受けたいという気持ちも働きます。もし、「何となく怖い」というだけであれば、一歩踏み出して、キャッシュレスに挑戦してみるのもいいかもしれませんね!