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マネーコラム

Vol.76

生涯現役に向けて資格を取ろう!雇用保険の「教育訓練給付制度」

2020.05.01

自分らしいセカンドライフを送るためには、現役時代から「生涯現役」を意識して準備をしておきたいもの。会社員限定ですが、その手段として、雇用保険の「教育訓練給付制度」を活用してみては?

■「教育訓練給付制度」とは?

会社員で雇用保険に入っているのに「使う機会がない」と思っている人は、資金的なサポートを受けながら学ぶ機会を逸してきたのではないでしょうか。実は、雇用保険には「教育訓練給付制度」があります。これは、一定条件を満たす人が、厚生労働大臣が指定した対象講座を受講した場合に、費用の一部(20〜70%)の給付を受けられるものです。

「教育訓練給付制度」には以下の3つがあります。それぞれ概要を押さえておきましょう。

<一般教育訓練給付>(1998年12月~)
当初、教育訓練給付と言えばこの「一般教育訓練給付」を指しました。簿記やTOEIC、介護ヘルパー、Webデザイン、宅建をはじめ、国家資格・民間資格の取得を目標とした講座です。講座を修了することで、かかった受講料の20%(上限10万円)の給付を受けられます。受講開始前1年以内に所定のキャリアコンサルティングを受けた場合は、その費用も給付されます(上限2万円)。

<特定一般教育訓練給付>(2019年10月~)
「一般教育訓練給付」のうち、キャリアアップ効果の高い講座が「特定一般教育訓練」に指定され、給付も20%→40%、上限も10万円→20万円にアップしました。介護職員初任者研修や、社会保険労務士、宅地建物取引士などの資格取得を目標とする講座が指定されています。なお、訓練前キャリアコンサルティングを受けることが必要です。

<専門実践教育訓練給付>(2014年10月~)
中長期のキャリア形成に役立つ教育訓練が対象となるのが「専門実践教育訓練給付」です。対象講座は、所定の資格取得養成講座や専門学校の職業実践専門課程等、専門職大学、専門職大学院などです。看護師や社会福祉士、管理栄養士、情報処理安全確保支援士をはじめ幅広い資格が取得できます。
給付は、受講料の50%(年間上限40万円)で、最長3年間の受講ができるため、3年間での上限は120万円です。受講修了日の翌日から1年以内に雇用されたかすでに雇用されている場合はさらに20%が上乗せされ、最大70%給付(3年間で最大168万円)となかなかの大型です。

表 教育訓練給付の概要

いずれの講座も、対象講座には通学も通信・オンラインもあります。実際に講座を選ぶ際には、ハローワークの窓口で閲覧できるほか、厚生労働省「講座検索サイト」で検索できます。受講できる講座の種類や期間、費用、通学の場合は時間帯や場所などもわかります。

■仕事を辞めてからでも利用できる!?

これらの教育訓練給付制度を利用できるのは、次の条件を満たす人です。

  • ・受講開始日現在、雇用保険の支給要件期間が3年以上(初回は、「一般教育訓練給付」と「特定一般教育訓練給付」は1年以上、「専門実践教育訓練給付」は2年以上(※1))の在職者
  • ・上記の支給要件期間を満たし、離職日の翌日から1年以内に受講する離職者(適用期間の延長を行った場合は最長20年以内)
  • ※12014年10月1日前に旧制度の教育訓練給付金を受給し、初めて専門実践教育訓練を受給する場合は2年以上、同年10月1日以降に旧制度の教育訓練給付金または一般教育訓練給付金の支給を受けた場合は3年以上。

つまり、雇用保険の加入条件を満たせば、離職後でも制度を利用できるのです。「適用期間の延長」ができるのは、妊娠、出産、育児、病気・ケガなどの理由で離職する場合ですが、最長20年以内であればかなりの期間利用できますね。

さらに、45歳未満の一定条件に合う離職者が、初めて「専門実践教育訓練給付」(通信制、夜間制を除く)を受ける場合には、「教育訓練支援給付金」の対象にもなります。2022年3月31日までの時限措置ですが、「専門実践教育訓練給付」のほか、失業手当の80%(※2)も受取れます(受講中に失業手当の支給が受けられない期間)。

  • ※22017年12月31日以前に受講開始した専門実践教育訓練の教育訓練支援給付金の50%。

■まとめ

自己負担部分はあるものの、「教育訓練給付制度」を上手に活用すれば、今だけでなく少し先の老後まで見据えたキャリア形成にもつなげられるのではないでしょうか。長く活かせる資格やスキルを身に付けられたらいいですね。
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なお、実際に利用する際には、詳細を確認し、自身が該当するかなどについてハローワークで確認することをお忘れなく!

参考

(執筆者:豊田眞弓)

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