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マネーコラム

Vol.91

「ふるさと納税」のメリットは?

2021.08.01

今回は「ふるさと納税」について、利用することでどんなメリットがあるのかをご紹介したいと思います。下のグラフのとおり、同制度の利用により住民税の控除を受けた人は2020課税年度に約406万人に上り、利用者は順調に増えています。一方で総務省の調べ※では、納税義務者(市町村民税の均等割と所得割)は5900万人余に上ることから、利用している人の割合は単純計算で7%程度。そこで、「よくわからない」という理由でやっていない人のために基本をおさらいしたいと思います。

  • ※令和2年度 市町村税課税状況等の調

第1のメリットは返礼品をもらえること。地域の特産品を中心に多様な品が用意されています。国は返礼品の価格を寄附金の3割以下に抑えるよう求めており、1万円寄附したら最大3000円相当の返礼品が受け取れることになります。寄附先は縁のある自治体である必要はなく、複数の自治体への寄附も可能です。

第2のメリットは寄附金の使い道を指定できること。被災地復興支援や新型コロナウイルス禍での伝統文化の継承など、意義があると自らが考える使い道を指定できます。もちろん、使い道を指定せずに寄附することも可能です。

第3のメリットは所得税と住民税の控除(還付)が受けられること。寄附額から2000円を除いた額が、翌年度の税の控除(還付)の対象になります(年収などに応じて寄附額に上限あり)。言い方を変えると、実質負担2000円で、第1のメリットである返礼品を受け取れることになるため、返礼品に2000円以上の価値があれば、損しないというわけです。

このほか、クレジットカード決済で寄附金を支払えば、金額に応じたポイントやマイルを貯めることもできます。

ふるさと納税に係る住民税控除額と控除適用者数の推移(全国) 「ふるさと納税」3つのメリット

かづな先生の今月のおさらい

ふるさと納税には注意点もあります。上限額を超えて寄附してしまうと、超過分は税の控除を受けられません。また、控除を受けるためには申請が必要で、確定申告か、寄附先の自治体に申請書を提出して税の手続きを代行してもらう便利なワンストップ特例制度かを選べるのですが、寄附先の自治体が6つ以上になると、この特例は使えないことにも注意が必要。さらに医療費控除や住宅ローン控除などのために確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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