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マネーコラム

Vol.99

資産を2倍にするのにかかる期間は?
おおよその年数がわかる「72の法則」

2022.04.01

預貯金などにつく金利の計算方法には「単利」と「複利」があります。単利は最初に預けた元本にのみ利息がつくものです。一方の複利は預入期間中についた利息を元本に加え、その合計額を新たな元本として利息を計算します(下部右図参照)。単利と複利では同一の金利でも実際に受け取れる利息の額は異なり、複利の場合、金利が高いほど、または預入期間が長いほど、利息も大きくなります。

たとえば、金利が5%で、1年ごとに利息が支払われる預金に100万円を預けた場合の単利と複利の1年後の元利合計はどちらも105万円ですが、10年後には単利は150万円、複利は162万8895円と13万円近くの差がつくのです。

複利は計算も面倒ですが、複利で運用した際に元本が2倍になるまでにかかるおおよその年数がわかる「72の法則」という計算式がよく知られています。下部左図のなかで示しているように、「72」を金利(年利)で割って算出される数字が、元本が2倍になるまでにかかる年数を表すとされます。ただし、あくまで概数であり、正確な数字ではないことに注意が必要です。

超低金利時代の現在、定期預金(10年もの)の平均金利は0.002%(2月10日現在)ですが、この金利だと預金を2倍にするのに3万6000年もかかる計算です。金利を50倍の0.1%まで引き上げても2倍にするには720年もかかります。

2%の金利なら、2倍にするのに36年。このあたりまでくると、現実感のある年数かもしれません。バブル経済のころは年利5~6%台の定期預金が珍しくなく、6%なら12年で2倍になる計算です。

この法則を応用すれば、10年で元本を2倍にするには何%の金利で運用すればいいのかという計算もできます。金融商品に投資する際の参考にしてみてください。

72の法則とは

かづな先生の今月のおさらい

本文でご紹介したように現状の金利を前提にすると、預貯金でお金を増やすことはままなりません。それどころか、インフレで物価が上昇すると、資産価値が下がる可能性もあります。お金を増やすためには、金利・利回りを味方につける必要があり、その方法のひとつが投資です。投資にはさまざまなリスクがあり、それを完全に回避することはできません。ただし、軽減することは可能です。商品や時間の分散ができる積立投資の活用などを検討してみてはいかがでしょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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