これからの働き方・稼ぎ方を考える 「所得の分散」で実収入を増やす
- 当社からファイナンシャルプランナーの先生等に依頼し、執筆いただいた記事を掲載しております。
- 各コラム内の情報は掲載当時の情報です。

日本の平均賃金はOECD平均を下回り、加盟する35か国中22位。G7のなかでは最下位となっています。※
そんな給料が伸び悩む時代、なるべく出ていくお金を減らしたいところです。そこで注目したいのが私たちの給与などの所得にかかる税である所得税。よく知られているように、所得税は所得の多い人ほど税率が高くなる「累進税率」で、所得別の税率は下のグラフのとおりです。
ここでいう課税所得(課税される所得)とは年収から各種控除などを差し引いた金額で、源泉徴収票に記載されている金額を使って算出することができます。ごの額に税率をかけて所得税を計算するのですが、勘違いしないようにしてほしいのは課税所得4000万円以上の人はこの全額に45%の税率がかかるわけではないということ。ある金額までは5%、更にある金額までは10%…と徐々に税率が高くなり、4000万円を超えた部分のみ45%がかかります。これは「超過累進税率」という仕組みで、煩雑な計算になるため、より簡単に計算できる「速算表」も下にご紹介しています。
とはいえ、所得が多いほど税率が高いのは確かです。そこで小学生の子どもが1人いる40歳未満の夫婦について、夫が年収800万円の会社員で妻は専業主婦のケース(A)と、夫婦それぞれ年収400万円の会社員のケース(B)をシミュレーションしたところ、(B)のほうが所得税などの出ていくお金が少なくなり、実収入は年24万円ほど多い結果になりました。
800万円を1人で稼ぐより、400万円ずつ2人で稼ぐ「所得の分散」を図ったほうが、実収入が増えるというわけです。どちらかが職を失った際、いきなり収入がなくなるリスクも解消できます。働き方の参考になるのではないでしょうか。
※OECD主要統計方が 「平均賃金(Average wage)」

※コラム本文に誤りがございましたので訂正しております。(2022/5/27現在)
3段落 1文目後半
誤)これは年末にもらう源泉徴収票に「所得控除後の合計額」などとして記載されています。
正)源泉徴収票に記載されている金額を使って算出することができます。
かづな先生の今月のおさらい
「所得の分散」は1人で実践することもできます。2018年に厚生労働省が「ガイドライン」をまとめ、推進の旗を振っている「副業兼業」を実行するのです。こちらは、働き方改革で残業(時閻外労働)が減り、結果として減少する収入を補ったり増やしたりするとともに、新たなキャリアを獲得できるメリットもあります。国が塞準をつくって後押しを始めたことで、副業・兼業を解禁する企業は増え始めています。あなたが勤める会社が認めていたら検討してみてはいかがでしょうか。