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マネーコラム

Vol.102

家族の死亡時に保険契約の有無を照会できる
生命保険協会の契約照会制度

2022.07.01

母親が亡くなったが、生命保険に加入していたかどうか不明。保険証券などの加入を裏付ける書類も見つからない―。

こんなとき、家族(法定相続人)などの申し出により生命保険契約の有無を回答してくれる「生命保険契約照会制度」を、一般社団法人生命保険協会が2021年7月に開始しています。東日本大震災(2011年3月)発生後に、災害発生地域での確実・迅速な保険金支払いのため、設けていた「災害地域生保契約照会制度」を平時にも広げた形です。

平時の場合、家族が死亡した場合に加え、認知判断能力が低下(※)した場合も利用できます。制度を利用できる人は、死亡の場合には照会対象者の法定相続人や法定相続人の法定代理人など、認知判断能力が低下している場合には照会対象者の法定代理人や任意後見制度に基づく任意代理人などです。

照会はインターネット、または郵送で受けつけていますが、郵送の場合も生命保険協会ホームページにアクセスして必要書類を請求していただく必要があるとしています(電話やメールによる申し出は不可)。申し出を受けた生命保険協会は加盟している生命保険各社(全42社)に保険契約の有無を照会し、結果を取りまとめて照会者に回答する仕組みです。なお、利用料として1照会あたり3000円(税込み)が必要となります。

一方、災害時の場合は、災害により死亡、または行方不明になっている人の保険契約の照会が可能で、制度を利用できるのは照会対象者の配偶者・親・子・兄弟姉妹など、申請方法は電話、利用料は無料と、平時の場合とは内容が異なっています。

なお、保険契約の照会が可能なのは生命保険協会に加盟している生命保険会社のみで、共済などは対象外です。

  • ※生命保険協会所定の診断書による医師の診断がなされることが必要

生命保険契約照会制度

かづな先生の今月のおさらい

「生命保険契約照会制度」は家族に万一のことがあって生命保険契約の有無がわからない場合のセーフティネットとして有効な制度ですが、利用の前に家族で生命保険証券や生命保険会社からの通知物、預金通帳の保険料口座振替履歴などが存在しないか確認しましょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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