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マネーコラム

Vol.107

気楽に書き始める
エンディングノートのすすめ

2022.12.01

人生の終末期や死後に備えて必要なことを書き留めておくエンディングノート。「自分にはまだまだ先の話」と敬遠しがちな話題ですが、いつ、何が起きるかわからないのが人生。後述するとおり、エンディングノートは自分のためであり、家族のためでもあります。
「思い立ったが吉日」で、今日から始めてみませんか。

エンディングノートを書く目的はまず、備忘録とすること。たとえば病気や事故で入院したとき、どんな医療を受けたいか、これまでどんな病気にかかったか、といった情報があれば、治療に役立ちます。

第2の目的は家族のため。介護が必要になったとき、どんな介護を望むのか。判断能力が低下したとき、財産管理を誰に頼むのか。亡くなったときにはどんな葬儀や埋葬を望むのか。そんな情報を残しておけば、家族を困らせないで済みます。

第3の目的は財産の管理。預貯金や保険、年金、不動産などの保有資産を整理しておけば、老後の資金計画などのマネープランを立てやすくなります。

そして、第4の目的は人生の棚卸しです。自分のし方を振り返り、現在の状況を見つめ直すことで、自分が今後、どんな人生を送りたいかが見えてくるでしょう。

これらの目的を満たすためにエンディングノートに書いておくべき事柄を下段の右にまとめました。すぐに書き始められるエンディングノートが市販されているほか、最近は無料で提供している地方自治体もありますので、そうしたノートを使うのもいいでしょう。

記入するべき情報で最も大切なのが財産の管理です。財産の一覧などに加えて、どこの銀行に口座をもち、どんな保険に加入しているかといった情報を残しておけば、「もしも」のときに家族が遺産を探し回る手間がかなり軽減されます。

かづな先生の今月のおさらい

エンディングノートには法的効力はありませんが、もしものときに備えて自分の大切な情報を記すのに活用したいものです。最初から完璧を目指さず、書きたいところから気軽に記入を始めるのがコツ。また、状況の変化に応じて修正もしていきましょう。そのためには、その情報がいつの時点のものか、日付を記入しておくのが重要です。エンディングノートを書いていることを家族に伝えるのと同時に、個人情報などがありますので保管場所には十分注意しましょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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