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マネーコラム

Vol.108

安心して赤ちゃんを産むために 出産に伴う休みとお金の話

2023.1.01

「赤ちゃんが生まれる」ことがわかったとき、うれしい気持ちの一方で、多少の不安は誰しも感じるでしょう。仕事をしている女性なら出産自体の不安に加え、休業中の収入や仕事への復帰のことなど、心配の種は尽きることがありません。

そこで今回は不安を少しでも解消してもらうため、出産にまつわる休業とお金の話をご紹介します。まず、女性は出産前後にいわゆる産休を取得できます。これには出産前6週間の産前休業と出産後8週間の産後休業があり、産前休業が本人の申し出により認められるのに対し、産後は就業自体が認められていません。(※)

パートナーである男性にも出生後8週間のうち4週間まで2回に分けて取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度が2022年に新設されました。

一方、育児休業は1歳に満たない子を養育する労働者が男女を問わず取得できる休業制度です。1人の子に対して原則2回に分割して取得可能。また、保育所に入れないなどの要件を満たす場合は1歳6か月まで延長でき、さらに最長で2歳になるまで再延長できます。

出産に関連してもらえるお金にはまず出産育児一時金があり、これは健康保険の加入者か、その被扶養者が出産したときに支給されます。また、産休期間中は原則として賃金の3分の2相当の出産手当金が健康保険から支給。男性の産後パパ育休取得期間は原則として休業開始前賃金の67%が雇用保険から支給されます。

育児休業期間中は男女ともに育児休業給付金が支払われ、支給基準は休業開始後6か月間が休業開始前賃金の67%、6か月経過後は50%です。

また、産前・産後休業中、産後パパ育休中、育児休業中は健康保険料、厚生年金保険料などの社会保険料も免除されます。

※産後6週間経過後に本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務には就業可能。

産休・育休中の経済的支援

かづな先生の今月のおさらい

妊娠や出産は病気でないという考えのもと、正常な妊娠・出産に関する費用は健康保険の療養の給付対象になりません。その経済的負担を軽減するために出産育児一時金があります。また、産前・産後休業中の所得補償を目的に支払われるのが出産手当金、出産後の育児休業中の所得補償の目的で支払われるのが育児休業給付金です。毎月支払っている社会保険料の保障ですので、柔軟な利用が可能になるように全体像を理解しておきましょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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