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マネーコラム

Vol.114

進化するがん治療への備え 多様ながん保険 じっくり検討を

2023.7.01

厚生労働省の「人口動態統計」によると、2021年にがん(悪性新生物)で亡くなった人は38万1505人に上り、死因順位で2位の心疾患(高血圧性のものを除く)の21万4710人を大きく引き離し、1位を占めています。また、国立がん研究センターがん情報サービスの「最新がん統計」によると、新たに診断されたがんの数も年間約100万例(2019年)に上り、生涯のうちにがんに罹患する確率は男性が65.5%、女性が51.2%に上り、ともに半数を超えています。

そんな身近な存在のがんに罹患したとき、強い味方となるのが「情報」と「お金」です。万一の際に納得できる治療法を選択できるように日頃からがんやその治療法に関する最新情報を入手すると同時に、治療の選択肢をもつためにも、実際に治療にかかるお金にも備えてほしいと思います。

がんは3大治療法と呼ばれる手術療法・薬物療法・放射線療法が標準治療。これらは原則として公的医療保険が適用されますので、1~3割の自己負担で治療を受けられますし、高額療養費も適用となり、自己負担限度額までの負担で済みます。

ただし、新たな治療法も続々と登場しており、それが公的医療保険の適用外の場合は高額の治療費や薬剤費を全額、自己負担しなければならず、一つの治療だけで数百万円に上ることもあります。

また、そうした直接的な治療にまつわるお金以外にも必要になるお金があります。個室や少人数の部屋に入院した場合の差額ベッド代や入院時の食事代、生活費などです。本人や家族の交通費、お見舞いのお返しなどで、貯蓄を取り崩すほどの予想外の支出になる可能性もあります。

お金の備えで有効な手段の一つが、がん保険。多様な商品や特約がありますので、一度検討してみてはいかがでしょう。

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がんと診断されるとまとまった一時金を受け取れる「診断給付金」があるのが、がん保険の特徴ですが、治療を継続している月ごとに給付される「治療給付金」も主流です。治療が長引く場合、診断給付金を取り崩しての治療費の管理が苦手なら、2つを組み合わせることで不安を解消できます。先進医療の技術料を保障する先進医療特約や通院費用を保障する通院給付金など特約も豊富。進化するがん治療に対応しているか、確認しながら加入・見直しを検討しましょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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