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マネーコラム

Vol.116

会社員要注目!知っておきたい所得控除3選

2023.8.31

「控除」とは「金額などを差し引く」という意味で、税の計算に深くかかわる言葉です。所得から一定額を差し引く「所得控除」と、所得税から差し引く「税額控除」があり、構造を理解することで所得を効率的に増やすことができます。

ただ、会社員の場合、年末調整によって基本的な控除が完結するため、あまりなじみがないかもしれません。しかし、申請することにより、会社員でも所得控除を受けられるケースがあります。代表的なものが医療費や医薬品の代金などの合計が一定額を超えた際に控除を受けられる医療費控除でしょう。今回はそれ以外であまり知られていませんが知っておきたい所得控除を3つご紹介します。

第一は扶養控除。「生計を一にする、年間の合計所得金額が48万円以下」の親族などがいる場合受けられる控除です。必ずしも同居が条件ではなく、別居していてもつねに生活費や療養費などを送金している場合などは生計を一にしているものとして取り扱われることがあります。ちなみに合計所得金額48万円以下というのは給与収入のみの場合は年収103万円以下、公的年金収入のみの場合は65歳以上で158万円以下、65歳未満で108万円以下が該当します。

第二は特定支出控除。7つある特定支出項目のうち、職務に直接必要な資格を取得するための資格取得費が要注目です。証明書を会社に発行してもらう必要がありますが、資格取得にお金をかけている人はぜひ活用したい控除です。

第三は障害者控除。本人や同一生計の配偶者、扶養親族などが障害者の場合に受けられる所得控除ですが、65歳以上の要介護認定者の場合も市区町村などから認定を受ければ控除を受けられる場合がありますので、お尋ねください。

会社が知っておきたい所得控除制度

かづな先生の今月のおさらい

会社員は経営者に比べると活用できる所得控除が限られていますが、個人の税負担は重くなる傾向ですので、まずはどんな控除があるのかを確認し、該当するものがあれば申請をしてみましょう。今回紹介した3つの控除のうち、扶養控除と障害者控除は年末調整で申請可能ですが、特定支出控除は確定申告をする必要があります。なお、特定支出控除などは「控除ありき」で無駄なお金を使うようでは本末転倒ですので、注意しましょう。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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