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マネーコラム

Vol.119

源泉徴収票を理解する

2023.12.01

1年間の手取り額を計算してみよう

源泉徴収票とは、1年間に得た収入と納付した所得税額を記載した書類のこと。会社勤めや公務員の人は毎年12月か、翌年1月にその年の源泉徴収票を会社や役所から受け取っていると思います。みなさんは、源泉徴収票の中身をきちんと確認しているでしょうか。ぱっと見にはとてもわかりにくい書類ですが、自分の正味の収入や負担している税や社会保険料の情報が詰まっていますので、正しく理解してほしいものです。

多くの情報が詰め込まれていますが、まずは住所や氏名の次に記載されている数字を理解しましょう(下図の上段参照)。

①の「支払金額」は、税金や社会保険料などを払う前の収入総額。また、②の「給与所得控除後の金額」は、①から給与所得控除を差し引いた額。これを差し引くことで所得税や住民税を計算する際の母数となる収入が減ります。

③の「所得控除の額の合計額」は、②からさらに控除される所得控除の合計額を示しており、これには基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、社会保険料控除などが含まれます。

④の「源泉徴収税額」は1年間に納めた所得税額を意味し、毎月、会社が従業員に代わって支払っている源泉所得税を年末調整で精算した正確な所得税額です。

ちなみに、所得税・住民税を課税する際の母数となる課税所得は②から③を差し引くことで算出できます。

この源泉徴収票を使ってその年の自分の手取り収入額(概算)を計算することができます。収入(①)から所得税(④)と住民税(別途計算が必要※)、社会保険料(源泉徴収票に記載があります)を差し引けば、手取り収入額が出るのです。

自分の収入と負担の関係がよくわかりますので、ぜひ計算してみましょう。

源泉徴収票の見方

  • ※ 住民税は所得割(課税所得の10%)と均等割(5,000円)の合計です(税率・額は自治体により異なる場合があります)。

かづな先生の今月のおさらい

会社勤めの人の場合、月々の給与は税金や社会保険料を差し引かれて支給されていますが、源泉徴収票をみれば1年間にどのくらい負担しているかが一目瞭然です。税はもとより、社会保険料の負担の大きさに驚く人も多いかと思います。また、年間の手取り収入額がわかれば、そのなかから預貯金や投資にいくら回すかといった資金計画も立てやすくなります。なお、源泉徴収票は転職時や住宅ローンの申込時、確定申告をする際などに必要ですから大切に保管してください。

田中 香津奈

田中 香津奈

株式会社フェリーチェプラン代表取締役。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。テレビ・ラジオ出演、雑誌への執筆、講演・セミナーなど多彩な活動を展開。

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