大樹認知症サポートサービス

認知症の症状

「中核症状」・「行動・心理症状(BPSD)」

認知症の症状は、「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2つに分けられます。

中核症状

中核症状は脳の神経細胞が障害されたことによって直接起こる症状で、これは認知機能が低下した人であれば誰にでも出現する症候群です。

具体的には……

記憶障害
さっき聞いたことが思い出せない。覚えていたはずの記憶が失われる。新しいことが覚えられない。

見当識障害
時間、季節、場所、人物などがわからない。今日の日付が出てこなかったり、通い慣れた場所へ行けなくなったり、知っているはずの人を見ても誰だか思い出せなくなる。

理解、判断力の障害
考えるスピードが遅くなる。一度に処理できる情報量が減るため、同時に2つのことができなくなる。
いつもと違う出来事(例えば葬式など)で、混乱しやすくなる。

実行機能障害
段取りや計画が立てられない。家電や自動販売機などが使いこなせない。

失認
体の器官に問題はないのに、知覚したものを正しく把握することができない。例えば、人の顔や遠近感がわからなくなったり、犬の鳴き声や電話の音を聞いても何の音かわからなくなったりする。

失語
「聞く・話す・読む・書く」ができない。他人の話すことは理解できても、自分の言いたいことをうまく話せない「運動失語」、相手の話が理解できない「感覚失語」、物の名前などが思い出せない「呼称障害」などがみられる。

失行
服の着方を忘れて洋服が着替えられなくなる、箸の使い方がわからなくなるなど、それまでできていたことができなくなる。

行動・心理症状(BPSD)

行動・心理障害(BPSD)は、中核症状の状態、本人の性格、身体状況、生活環境、人間関係などによって左右される症状で、その現れ方は人によって異なります。
なかにはほとんど出ない人もいますし、ある症状が極端に強い人もいます。

行動症状(行動異常)

  • 暴言、暴力
  • 焦燥
  • 叫声
  • 介護抵抗
  • 食行動異常(過食、異食、拒食)
  • 徘徊
  • 失禁、不潔行為
  • つきまとい
  • 仮性作業(意味のない動作を繰り返す)
  • 暮れ症候群
    (夕方になると落ち着かなくなったり、何度も同じことを繰り返したり、「家に帰る」と帰り支度をする)

心理症状

  • 妄想(物盗られ妄想、嫉妬妄想、被害妄想など)
  • 幻覚(幻視、幻聴)
  • 不眠
  • 抑うつ、不安
  • 無為、無反応
  • 易怒性(いどせい、怒りっぽくてすぐにイライラする)など

若年性認知症とは

一般のアルツハイマー病(老年性のアルツハイマー病)は65歳以上で発症するものを指しますが、若年性アルツハイマー病は65歳未満で発症する病気です。
初期では、頭痛やめまい、不眠があらわれ、不安感や自発性の低下、抑うつ状態などもみられます。
また、発症すると自己中心的になったり、頑固になったり、他人への配慮がなくなります。

初めは「あれ、何だっけ?」という一時的な物忘れから始まりますが、やがて進行していくと、会議の予定や約束を忘れたり、同僚の名前や取引先の場所がわからなくなったりするため、仕事を続けることもできなくなってしまいます。
最終的には、家族の顔や名前、自分自身のことすらわからなくなり、意欲や体の機能も低下して、歩くこともままならなくなります。
老年性より発症率は低いですが、発症すると進行が早く、症状も重く出るのが特徴です。

認知症の方への対応と対応策

認識力や記憶力、理解力が落ちていく中で、当人は戸惑いや不安を増幅させていきます。
それが時にふさぎ込むようなうつ様症状として現れたり、易怒や興奮といった攻撃的な症状であったり、被害的な物盗られ妄想であったりします。
家族としても非常に辛い場面ですが、こうして病態を少しでも理解することで本来のご本人を思いながら、「認知症がもたらすものである」ということを思い出してください。
また、主治医へ的確に症状を伝えることで内服薬にてコントロールを図ることもできます。
診察時間が短い、主治医にうまく伝えられないなどの心配がある方は、事前に看護師へ普段の症状と困ったときの状態などを伝えておくのがよいでしょう。
看護師は必要な情報を主治医へ的確に報告してくれるはずです。またソーシャルワーカーとの関りをもつこともよいでしょう。

監修/佐藤俊彦

◼️宇都宮セントラルクリニック(UCC)理事
◼️セントラルメディカルクラブ(CMC)顧問医
◼️医療法人社団NIDCインターナショナル画像診断クリニック 院長
◼️メディカルリサーチ株式会社 顧問医