認知症になった時の備えとして、以下のような資金を準備しておく必要があります。
【詳しくはこちら】
- ①医療費の準備
- ②介護にかかる費用の準備
- ③他人に対する賠償の準備
- ④資産凍結を防ぐ準備
社会保障制度からの給付と、それだけでは不足する部分を自助努力で備える必要がありますが、ここでは社会保障制度の一つ、「公的医療保険制度」の内容を確認しましょう。
- ※本ページの記載内容は2024年6月現在の公的制度に基づいており、今後変更されることがあります。
公的医療保険制度
公的医療保険制度には、以下のような種類があります。
- 1.健康保険
会社員やその扶養家族が加入します。 - 2.国民健康保険
自営業や無職の人が加入します。 - 3.共済組合
公務員やその扶養家族が加入します。 - 4.後期高齢者医療制度
75歳以上の方が加入します。
それぞれの医療保険制度には、例えば、病気やけがにより病院等で医療を受ける場合の給付等がありますので、その給付を除いた自己負担がどのくらいになるのかを確認する必要があります。
なお、医療には、医療保険が適用されない医療技術(先進医療や自由診療など)もありますので、その場合は、全額自己負担となることに注意が必要です。
健康保険の主な給付
療養の給付
医師の診察、医療等を受けたときに「療養の給付」が受けられ、自己負担は以下のようになっています。
年齢 | 自己負担 |
---|---|
小学校入学前まで | 2割※ |
小学校入学後70歳未満 | 3割 |
70歳以上75歳未満 | 2割(現役並み所得者は3割) |
75歳以上 | 1割(一定以上の所得者は2割、現役並み所得者は3割) |
- ※地方自治体の助成等により子どもの医療費が軽減される場合があります。
高額療養費
高額療養費制度とは、1ヵ月の治療費(窓口負担)が一定額を超えた時に、超えた額が払戻される制度です。
保険診療分が対象となり、差額ベッド代・食事代の一部等は対象外となります。
(例)70歳未満標準報酬月額が28万~50万円の方の場合(住民税非課税者を除く)
【1か月の自己負担限度額】
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
【計算例】
1か月の医療費が90万円であった場合の自己負担限度額
80,100円+(90万円-267,000円)×1%=86,430円
その他の給付
【入院時食事療養費】
入院時の食事代は一食につき490円を超えた金額が「入院時食事療養費」として給付されます。(一般の方の場合)
この他にも、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、高額介護合算療養費、移送費、埋葬料、出産育児一時金などの給付があります。
なお、健康保険の場合には「傷病手当金」「出産手当金」の給付もあります。
保険適用が受けられないもの
次の費用は保険適用が受けられず、全額自己負担となりますから注意が必要です。
- 1.差額室料
4人以下の病室に入院する場合にかかってきます。個室の場合は1日1万円以上の場合もあります。 - 2.先進医療の技術料
がん治療のための粒子線照射には、自己負担が300万円程度になる場合もあります。 - 3.自由診療の治療費
「自由診療」を受ける場合は、一切保険適用がありません。
最先端の治療や高額な薬剤を受ける場合などは自己負担が高額になります。 - 4.その他
入院時の衣料品・寝具の購入や交通費、お見舞い返しなど思わぬ費用がかかります。