「日本版スチュワードシップ・コード」への対応について
「責任ある機関投資家」の諸原則
《日本版スチュワードシップ・コード》の受入れについて
2014年5月
当社は、「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(金融庁所管)において策定された、「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》(2014年2月27日公表)を受け入れることを表明致します。
「責任ある機関投資家」の諸原則
《日本版スチュワードシップ・コード》への対応について
2024年9月
Ⅰ.「日本版スチュワードシップ・コード」に対する取組み
当社は、「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》を受け入れることを表明しております。スチュワードシップ・コードの原則1~原則7に対して、以下のように取組んでおります。
- 原則1.
- 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社の取組み:コンプライ
スチュワードシップ責任を果たすための方針
当社は、将来の保険金・給付金等を確実にお支払いするため、安全性・収益性・流動性に加え、公共性を勘案した資産運用に努めております。
お客さまへのお支払いに備えるため、長期・安定的な資産運用を基本方針としており、投資にあたっては企業の収益性、安全性、成長性等を基準に投資判断を行い、投資先企業の企業価値向上を促し、株主還元・株価上昇・社債の元利償還等を通じて中長期的に投資収益を獲得することを目指しております。
当社は、投資先企業の中長期的な成長、それがもたらす当社の投資収益の向上、ひいてはお客さまの利益に資することを目的に、スチュワードシップ・コードを受入れるとともに、投資先企業との対話活動や議決権行使等(以下、これらを総称して「スチュワードシップ活動」)への取組みを推進してまいります。
(1) スチュワードシップ責任の考え方
当社は、投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長を促すことにより、お客さまの中長期的な利益の拡大を図る、という点に機関投資家としてのスチュワードシップ責任があると考えております。
(2) スチュワードシップ責任を果たす方法
当社は、議決権行使はスチュワードシップ責任を果たすための重要な役割を有していると認識しており、これに限らず、投資先企業の状況を適切に把握し、当該企業と建設的な「目的を持った対話」を行う等、幅広い活動によって、スチュワードシップ責任を果たしてまいります。
(3) スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針の策定・公表
当社は、スチュワードシップ活動を行うにあたっては、お客さまの利益を第一として行動し、利益相反を適切に管理することを目的に、「スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針」を定め、これを公表いたします。
(4) 議決権行使と行使結果の公表の方針の策定・公表
当社は、投資先企業の企業価値向上や持続的成長を促すことにより、中長期的な投資収益の向上に資することを目的に、「議決権行使と行使結果の公表に関する方針」を定め、これを公表いたします。
(5) 対話活動の基本的な考え方
当社は、投資先企業との環境・社会の要素も考慮に入れた建設的な対話に取り組むことで、中長期的な企業価値向上を促し、その果実を株主還元や株価上昇、社債の安定的な元利償還といった形で享受し、運用収益の拡大に繋げるとともに、「安心・安全で持続可能な社会」の実現を目指します。
(6) スチュワードシップ活動の取組み状況の報告
当社は、お客さまに対して、議決権行使結果だけでなく、投資先企業との対話活動も含めたスチュワードシップ活動全体を的確にご理解いただくことを目的に、「当社のスチュワードシップ活動について」を報告いたします。
自己評価
スチュワードシップ・コード(再改訂版)の内容を踏まえ、「スチュワードシップ責任を果たすための方針」を見直し、適切に対応できていると評価しております。引続き、見直しが必要と判断した場合には、適宜、当該方針を見直してまいります。
- 原則2.
- 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社では、「利益相反管理基本方針」を定め、保険業法および金融商品取引法等を踏まえ、お客さまとの取引に伴う利益相反により、お客さまの利益を不当に害することのないよう、法令および当社規程等を遵守し、適切に業務を管理・遂行しております。
スチュワードシップ活動を行うにあたっては、お客さまの利益を第一として行動し、利益相反を適切に管理することを目的に以下の「スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針」を定めております。
スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針
(1)スチュワードシップ活動に重要な影響を及ぼす利益相反が生じ得る主な局面
1 | 保険契約等の取引が多い投資先企業への議決権行使にあたって、保険契約等への影響を考慮し、賛否判断が歪められる懸念がある事象 |
---|---|
2 | 代理店として保険販売が多い投資先企業への議決権行使にあたって、保険販売への影響を考慮し、賛否判断が歪められる懸念がある事象 |
3 | 当社の株主である投資先企業への議決権行使にあたって、賛否判断が歪められる懸念がある事象 |
4 | 当社常勤の役員・従業員が取締役・監査役を兼務している投資先企業への議決権行使にあたって、賛否判断が歪められる懸念がある事象 |
(2) 利益相反を回避し、お客さまの利益を確保するための措置
当社は、利益相反の防止に向け、スチュワードシップ活動上の対話活動や議決権行使の賛否判断に関するプロセスを運用部門内で完結する体制を構築しております。
議決権行使については、「国内株式議決権行使規程」に基づいて賛否判断を実施するとともに、①「国内株式議決権行使規程」の重要な改定および②「国内株式議決権行使規程」に定めた基準に該当した議案、かつ、(1)スチュワードシップ活動に重要な影響を及ぼす利益相反が生じ得る主な局面に該当した議案(以下、「利益相反の観点からの重要議案」)の賛否案については、メンバーに利益相反管理統括者であるコンプライアンス統括部長を含む「スチュワードシップ活動推進会議」で事前に協議しております。
<スチュワードシップ活動推進会議の概要>
目的 | お客さま利益の確保や利益相反防止およびスチュワードシップ活動全体の充実・促進等に関する事項の協議または報告 |
---|---|
構成 | 運用統括部長、市場運用部長(議長)、特別勘定運用部長、コンプライアンス統括部長(利益相反管理統括者) |
付議 事項 |
【協議事項】 ・議決権行使における重要議案の賛否案 ・国内株式議決権行使規程の重要な改定 ・「『日本版スチュワードシップ・コード』への対応について」(当該ホームページ内容)の更新案 【報告事項】 ・スチュワードシップ活動の取組み状況 |
開催 | 原則、年3回 |
また、スチュワードシップ活動の取組み状況等を経営会議や社外取締役・社外監査役が参加する取締役会に報告することで、経営陣と事実認識および課題認識を共有しております。
自己評価
スチュワードシップ・コード(再改訂版)の内容を踏まえ、「スチュワードシップ活動に関する利益相反管理の方針」を見直すとともに、「スチュワードシップ活動推進会議」の結論として、利益相反を疑われる議決権行使は行われていないことを確認しており、適切に対応できていると評価しております。引続き、「スチュワードシップ活動推進会議」の運営や経営陣との事実認識・課題認識の共有等を通じて、適切な利益相反管理に努めてまいります。
- 原則3.
- 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社は、スチュワードシップ活動を担当する部署に株式投資に関する十分な実務経験や専門知識を備えた人材を配置し、投資先企業との対話や情報収集等を通じ、投資先企業の業績等の財務情報だけでなく、事業戦略や中期経営計画に加え、環境・社会・ガバナンス(ESG)等の非財務情報についても適切に把握できるよう努めております。
また、継続的かつ実効的な投資先企業の状況把握を行うよう、必要に応じて「スチュワードシップ活動推進会議」でスチュワードシップ活動の取組み状況を報告するなど適切な確認に努めております。
自己評価
投資先企業の状況を的確に把握するため、各種の情報収集や説明会等への参加、対話を継続して行っており、投資先企業の持続的成長に向けたスチュワードシップ責任を適切に果たしていると評価しております。引続き、投資先企業の財務情報や非財務情報を適切に把握できるよう努めてまいります。
- 原則4.
- 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社では、建設的な対話を通じて投資先企業の企業価値向上に貢献し、投資収益の拡大に繋げることを目指しております。
対話活動を実施する対象企業については、重要性の観点から選定しております。具体的には、当社の投資規模が大きい投資先企業や、企業価値向上の観点から課題を有し、改善状況のモニタリングが必要と判断した投資先企業等を対象企業に選定し、対話活動に取組んでおります。
対話活動のアプローチとして、日常的な調査・分析活動、IR部署とのディスカッション、議決権行使等を通じ、主に以下のテーマに関する課題認識を共有するための建設的な対話を実施しております。
<投資先企業との対話に関する主なテーマ>
事業環境、経営・成長戦略(中期経営計画等)、財務戦略(手元資金の使途等)、収益性(決算内容、ROE等)、株主還元方針(望ましい還元手段や内部留保とのバランス等)、ESGへの取組み など
なお、当社は、公表された情報をもとにスチュワードシップ活動を行っており、未公表の重要な事実を受領することを目的に対話活動等を行うことはありません。万が一、投資先企業から未公表の重要な事実を受領した場合には、法令等に従い、速やかに必要な措置を講じることとしております。
自己評価
対話活動を通じて、投資先企業との認識の共有を図り、問題点の改善に努めていると評価しております。引続き、投資先企業との継続的な対話活動を通じて、質・量の両面で取組み強化に努めてまいります。
- 原則5.
- 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社は、議決権行使にあたっては、投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、中長期的な投資収益の向上に資することを目的に以下の「議決権行使と行使結果の公表に関する方針」を定めております。
議決権行使と行使結果の公表に関する方針
(1) 議決権行使の考え方
当社は、議決権行使を適切に行うことは、投資先企業の企業価値の向上を通じてお客さまの利益に資するものと考えており、加えて、機関投資家としての社会的責任を果たす上でも重要であると考えております。
このような考え方の下、当社では、「国内株式議決権行使規程」を定め、全ての保有株式について社内の決裁手続きを経た上で、自らの判断で議決権を行使いたします。
個々の議案について、投資先企業の経営状況を中長期的な視点を踏まえて確認し、必要に応じて投資先企業との対話を行うなどにより、賛否を判断いたします。
(2) 議決権行使に関する社内体制とプロセス
当社では、運用部門が「国内株式議決権行使規程」に基づき、株主総会の全議案について検討を行い、議決権行使の判断を行っております。
<国内株式議決権行使規程の主な内容>
議決権行使規程の主な内容および対話活動については、スチュワードシップ活動報告書に記載しております。議決権行使結果とあわせてご確認ください。
<議決権行使プロセス>
「国内株式議決権行使規程」の基準に基づくスクリーニングの結果、スクリーニングに該当しない議案については、原則、賛成いたします。
「国内株式議決権行使規程」に基づくスクリーニングの結果、スクリーニングに該当する議案については、必要に応じて投資先企業との対話により課題解決の取組み状況を確認するなど個別企業の状況を踏まえた上で賛否を判断いたします。
具体的には、投資先企業の課題解決に向けた取組みを評価できる場合には議案に賛成し、課題解決に向けた取組みを評価できない場合や改善が期待できないと判断した場合には議案に反対いたします。なお、議案に賛成した場合でも、改善状況のモニタリングが必要と判断した場合には、事後的に投資先企業と課題認識の共有化を実施いたします。
(3) 議決権行使結果の公表に関する方針
議決権行使結果については、議案の主な種類ごとに整理・集計して開示するとともに、個別の投資先企業および議案ごとの結果、各議案の賛否判断理由についても開示しております。
(4) 貸株取引に関する方針
当社は、運用収益獲得を目的に貸株取引を行い、議決権行使に係る権利確定日をまたぐ取引がある場合には、必要に応じて貸株の返還を求める等、議決権行使の確保に努めております。
自己評価
スチュワードシップ・コード(再改訂版)の内容を踏まえ、「議決権行使と行使結果の公表に関する方針」を見直し、議決権行使の考え方やプロセスおよび行使結果の公表について適切に対応できていると評価しております。「国内株式議決権行使規程」は、企業を取り巻く外部環境等を踏まえ、必要に応じて、適宜見直してまいります。
- 原則6.
- 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社では、お客さまに当社のスチュワードシップ活動全体を的確にご理解いただく観点から、ホームページにて当社の基本的な考え方や方針、プロセスなどスチュワードシップ活動全体を開示しております。
また、投資先企業との対話や議決権行使における具体的な取組み状況についても更新し、報告に努めております。
自己評価
「『日本版スチュワードシップ・コード』への対応について」を更新し、適時・適切に報告を実施できているものと評価しております。引続き、お客さまに的確にご理解いただけるよう、スチュワードシップ活動全体の開示の充実に努めてまいります。
- 原則7.
- 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。
当社の取組み:コンプライ
当社は、投資先企業の企業価値の向上やその持続的成長に資するための体制整備や人材育成等により、機関投資家としての実力の向上に努めております。
当社の経営陣も、スチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるために体制整備や人材育成が重要であると認識しており、こうした取組みを積極的に推進しております。
また当社は、自らのスチュワードシップ活動の実効性向上に向けて、毎年、取組み状況の自己評価を行い、その結果をホームページ上で公表いたします。
自己評価
スチュワードシップ・コード(再改訂版)の内容を踏まえ、ガバナンスの強化や利益相反管理の強化、スチュワードシップ活動全体の開示の充実等に取組むとともに、自己評価の実施・公表と併せて適切に対応できていると評価しております。引続き、体制整備や人材育成に取組み、スチュワードシップ活動の実効性向上に努めてまいります。
Ⅱ.当社のスチュワードシップ活動について
当社は、お客さまに対して、議決権行使結果に加え、投資先企業との対話活動も含めたスチュワードシップ活動全体を的確にご理解いただくことを目的に、以下のとおり当社のスチュワードシップ活動の取組み状況を報告いたします。