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健康コラム

Vol.33

花粉症と上手に付き合って春を楽しもう

2017.03.01

いよいよ3月。うららかな春の風を胸いっぱい吸い込んで….と言いたいところですが、花粉症の人にとって春の風は花粉を運んでくる憂鬱な風。胸いっぱい吸い込むとさまざまな不快症状を引き起こしかねません。
春を憂鬱に感じてしまう花粉症のみなさま、少しでも春を楽しめるように、花粉症を知り、花粉症と上手く付き合っていきましょう。

■花粉症を知る

1.花粉症ってなに?
花粉症とは、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応の総称です。一般的に花粉症の四大症状とされる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみに加え、皮膚や喉に不調をきたすこともあります。「アレルギー性鼻炎」、「アレルギー性結膜炎」、「アレルギー性皮膚炎」、「アレルギー性咽喉頭炎」など、そのアレルギーの原因が花粉であるものは花粉症ということになります。

2.花粉症と風邪の見分け方は?
まだまだ寒いこの3月の花粉症は、風邪と間違われることがあります。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状は風邪の症状と共通しているからです。花粉症か風邪かを判別するための一つの指標として「鼻水」を観察しましょう。
風邪の鼻水は、最初は透明でサラっとしていても、数日で黄色くドロっとしたもの(細菌やウイルスと戦った白血球の死骸を含んだもの)に変化します。
数日経っても透明でサラッとした鼻水だとしたら花粉症の可能性が高いでしょう。

3.花粉症のメカニズムについて
風邪にしても花粉症にしても、私たちは免疫システムにより外敵から体を守っています。花粉は自然のものなので、普通なら、鼻の粘膜にある腺毛の働きによって排出されて終わりなのですが、花粉症は、花粉が異物(アレルギーの原因となる抗原)として認識され、花粉に対する抗体(IgE抗体)が過剰生産されることで起こる免疫の過剰反応です。
IgE抗体は、花粉症以外のアレルギー疾患とも関係していて、IgE 抗体が作られやすい体質はアレルギー体質とされています。

花粉症のメカニズムについて

このように、花粉症のメカニズムは複雑で、人によって症状もさまざま。正しい治療法を行うのが困難です。近年、花粉症の研究が進み、希望の持てる治療法も登場してきていますが、それでもなお、治りにくい病気とされています。

■花粉症と付き合う

花粉症で問題になるのはQOL(生活の質)の低下。
たとえば、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの花粉症の症状は、集中力や判断力、作業能率を低下させます。なかでも、鼻づまりは、睡眠障害の原因にもなり、日中の疲労や眠気にもつながります。

そこで、まずはセルフケア。
花粉症を「防ぐ」、花粉症から「逃げる」、花粉症に対して「強くなる」ことを意識して、QOLを保ちつつ花粉症と上手に付き合いましょう。

1.防ぐ
花粉症の原因は花粉なので、花粉症の症状を和らげるには、花粉を防ぐことが重要です。
参考になりそうな記述が環境省のホームページにあったので、紹介します。

花粉のばく露を防ぐ方法

2.逃げる
花粉症の原因とされる植物はたくさんありますが、日本で発症する花粉症の多くが2~4月頃に飛散するスギ花粉によるものです。ただ、北海道や沖縄にはスギがほとんど存在しないため、スギ花粉症はありません。
スギ花粉が多く飛ぶ時期だけ、北海道や沖縄へ逃げることができたら良いのですが、なかなかそうもいきません。
せめて、花粉が多い時間帯や気象条件から逃げましょう。
スギ花粉は、一般的に昼前後と日没後に多くなります。気温が上がって、スギ花粉がスギ林から都市部へ飛んでくるのが昼前後。また、上空に飛んだ花粉が地上に落ちてくるのが日没後です。
花粉が多くなる気象条件としては、
①晴れて気温が高い日、②空気が乾燥して風が強い日、③雨上がりの翌日。
花粉が多い時間帯や気象条件では、なるべく外に出ないようにしましょう。

3.強くなる
免疫力が低下すると花粉症にかかりやすくなります。
免疫力を高めるには、睡眠と栄養バランスのとれた食事、適度な運動、そして、ストレスコントロールが有効です。

■花粉の動きを知る

花粉症と上手に付き合っていくためにも、花粉の飛散状況について正確な情報を得ることが重要です。
その正確な花粉情報をくれる心強い味方は、「はなこさん」。
花粉飛散シーズン(2~5月)になると、環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)が、1時間ごとの最新の花粉飛散量や飛散方向などを教えてくれます。

春を楽しむために、万全の花粉症対策と早めの予防を!

ファイナンシャルプランナー 萩原 有紀

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