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健康コラム

Vol.45

保健センターの活用法

2018.03.01

保健センターという施設を知っていますか? 利用したことはありますか?
子育て世代は、予防接種や集団検診などで足を運ぶことが多い施設ですが、子どもの成長に伴い足が遠のきます。しかし、保健センターは、母子保健のみならず、成人・老人保健も担ってくれていて、私たちのライフステージに応じた健康情報を発信してくれる場所なのです。
今回は、この保健センターの活用法についてお伝えします。

1.保健所と保健センターはどう違うの?

そもそも、保健センターって何? 保健所とどう違うの? という疑問を持つ方のために、保健所と保健センターを対比しながら、その役割や設置場所、働く人たちについて表にまとめます。

根拠法は、どちらも「地域保健法」

ちなみに、平成29年4月1日の時点で、全国に保健所は本所481か所、支所101か所あり、保健センターは2,456か所あります(厚生労働省健康局調べ)。

2.保健センターの役割について

地域保健法18条によると、「保健センターは、住民に対し、健康相談、保健指導及び健康診査その他地域保健に関し必要な事業を行うことを目的とする施設」と定義されています。
保健センターは市区町村ごとに設置されているということもあり、保健所に比べて地域住民に近い存在であり、住民の健康維持・増進に向けたきめ細やかなサービスが期待されます。
住民の健康課題は、地域によって異なるため、それぞれの保健センターが独自に行っている事業もありますが、大きく分けると、「健康相談」「健康診査」「保健指導」の3つ。それぞれについて説明していきます。

①健康相談

健康について個別で相談に応じてくれます。
乳幼児の発育・育児・栄養、心理についての相談や、成人向けの健康相談があります。相談できる日が月に数回指定されていることが多く、予約が必要な場合もあります。

②健康診査

「健康診断」の方が耳慣れている方が多いかもしれませんが、地域保健においては「健康診査」という呼び方をします。
健康診査には、子どもの健康診査(1歳6か月健診、3歳児健診など)と、成人の検診(がん検診など)があります。たとえば特定健康診査(メタボリックシンドロームに着目した検査)のように、検診の内容によっては国民健康保険加入者しか受けられないものもあります。また、内容によっては費用がかかるものもあります。

③保健指導

健康診査の結果、保健指導が必要になる場合があります。具体的には、特定保健診査の結果、問題があれば特定保健指導となります。
メタボリックシンドロームの予防・改善を目指して、生活習慣の改善を保健師や管理栄養士がサポートしてくれます。

3.ライフステージに応じた保健センターの活用法(筆者の経験談を交えて)

筆者がはじめて保健センターに足を踏み入れたのは、妊娠が分かってすぐ。妊娠の届出と母子健康手帳・父子健康手帳の交付は保健センターの役割のひとつです。この手帳交付の際に、出産や育児に関連した様々な情報を提供してもらえます。
次は、パパママ教室(パパママスクールやパパママクラスなど呼び方は様々)。妊婦体操や沐浴実習など、妊娠期から子育て期まで役立つ内容です。
出産後に保健センターのサービスを受けたのは、子どもが生まれてすぐの頃。子どもが生まれた全家庭を、助産師もしくは保健師が家庭訪問して相談に乗ってくれるサービス。実家が遠い筆者にとって、身近に相談ができる専門家がいるということは非常に心強いことでした。
そして、1歳6か月健診、3歳児健診……それ以降、保健センターから足が遠のいています。
筆者のみならず、妊娠や出産、乳幼児の子育てというステージを終えると、保健センターへ足を運ぶ機会は減るものです。とはいえ、保健センターは、あらゆるライフステージにおいて私たちの健康に寄り添ってくれます。

前述した成人向けの健康相談や健康診査、保健指導以外にも、健康維持・増進のための教室が各保健センターで開催されています。健康運動指導士による運動教室や、管理栄養士による栄養・料理教室などは、多くの保健センターで行われています。参加費は無料もしくは数百円の実費程度。平日の昼間に開催されることが多いのですが、保健センターによっては、平日は仕事をしている働き盛りの住民の健康を守るため、土曜日に教室を開催しているところもあります。

4.まとめ

保健センターの年間予定表は、年度ごとに各市区町村で配布されます。間もなくみなさんのお手元にも、平成30年度の予定表が届くのではないでしょうか?
自分の住む町ではどのような健康づくりがされているのか、一度眺めてみてはいかがでしょうか?

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