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健康コラム

Vol.67

勉強すれば健康寿命が延びるって本当?!

2020.01.01

ひと昔前まで、勉強は主に子ども時代の仕事とされていました。
しかし、時代は変わり、今は、働きながら勉強する大人、引退しても勉強し続ける大人が増えてきています。勉強することは、高度化・多様化する時代に生きるうえで必要であるという理由だけではなく、健康効果も期待できるのです。
今回は、健康効果を高めてくれる勉強のヒントをお伝えします。

■大人の勉強「学び直し」の必要性

人生100年時代と言われる現在。
少し前までは「教育→仕事→引退(余暇)」という3つのステージで人生を色分けしていました。ところが、寿命が延びたことで、引退後の生活を送るための資金不足が心配され、引退年齢を延ばす人が増えました。

また、昔のようにひとつの会社がずっと面倒を見てくれるとも限らなくなったため、転職や起業といったマルチステージの人生も珍しくなくなりました。
こういった働く環境の変化の中では、新たな知識やスキルが求められるため、学び直しが必要となってきたのです。
これからは、社会に出てからも、教育(学び直し)と他の活動(仕事や余暇など)を交互に行うスタイルが当たり前になるのでしょう。

政府も、「人生100年時代構想会議」において、リカレント教育(社会人の学び直し)の拡充を推進しています。たとえば、雇用保険の被保険者を対象とした「教育訓練給付」(厚生労働大臣が指定した講座を受講すると、費用の一部が給付される制度)の対象講座を拡大したり、給付率を増やしたりといった対策が進められています。

■健康寿命を縮める原因は何か?

厚生労働省の2018年簡易生命表によると、日本人の平均寿命は、男性81.25歳、女性87.32歳と、いずれも過去最高を更新。「人生80年」と言われていたのが、そのうち「人生90年」「人生100年」になる日も近いでしょう。

ただし、ここで見過ごせないのが健康寿命(平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間)です。2016年の健康寿命(※)は、男性72.14歳、女性74.79歳となっています。つまり、寿命は長くても、介護状態の期間がおよそ10年もあるということです。

厚生労働省の「平成28(2016)年国民生活基礎調査(※)」によると、介護が必要になった主な原因の1位は認知症(18.0%)、2位は脳卒中(16.6%)、3位は高齢による衰弱(13.3%)、4位は骨折・転倒(12.1%)、5位は関節疾患(10.2%)となっています。

※健康寿命、国民生活基礎調査とも熊本県を除くデータです(震災のため)。

介護が必要となった主な原因の構成割合(単位:%)

1位の認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が何らかの原因によって徐々に低下し、日常生活や社会生活に支障がでてきた状態をいいます。
この認知機能を維持・改善するために効果的な対策のひとつが勉強です。

■勉強のコツは「新しいこと」を「楽しみながら」

人が歳を重ねると、脳の神経細胞が衰えると思い込んでいませんか?
実は、近年の多くの研究で、人の脳は年齢にかかわらず生涯にわたって成長することがわかってきています。

確かに、単調な繰り返しの日々では脳の働きは低下しますが、新しいことに挑戦したり、新しいことを学んだりすると、脳のさまざまな領域が活性化します。

その際、いやいや取り組むと、ストレスホルモンが分泌され、記憶をつかさどる海馬や前頭前野が萎縮してしまうので要注意です。反対に、好きだと感じることに対して、楽しみながら取り組むと、感情をつかさどる扁桃体と海馬との神経細胞のつながりが増すため、記憶が定着しやすくなります。

さらに、プラス感情のときに扁桃体の指令で放出される神経伝達物質ドーパミンは、記憶力を高めるのみならず、心地よいという気持ちや、達成感、そしてやる気を生み出してくれます。

たとえば、日頃読まないジャンルの本を読むとか、新しい語学に挑戦してみるとか、気軽に始められる勉強から試してみてはいかがでしょう? 大樹生命の通信教育「えらべる倶楽部eラーニング」でも、スキルアップに役立つ講座が無料で受けられます!

何を勉強するかを決める一番の基準は、「楽しめるかどうか」です。楽しいと感じられるものを選んで始めてみましょう。

人生のステージに関する参考図書:リンダ・グラットン / アンドリュー・スコット著「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)—100年時代の人生戦略」、東洋経済新報社、2016

脳の働きに関する参考図書:東北大学加齢医学研究所教授 瀧靖之著「生涯健康脳」、ソレイユ出版、2015

(執筆者:萩原有紀)

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