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健康コラム

Vol.81

砂糖との健康的な付き合い方

2021.03.01

3月10日は砂糖の日。何かと悪者にされがちな砂糖ですが、砂糖のことをどのくらい知っていますか?
今回は、身近な存在にもかかわらず実はあまりよく知られていない砂糖をテーマに取り上げ、砂糖との健康的な付き合い方について考えます。

■砂糖の種類について

砂糖と一口に言っても、種類はたくさんあります。
砂糖はその原料となる植物で分ける方法と製造法によって分ける方法があります。

・原料となる植物で分ける方法
砂糖が採れる植物としては、イネ科のサトウキビ(かんしょ)、アカザ科のサトウダイコン(ビート、てんさい)、カエデ科の砂糖楓(メープルシュガー)、砂糖ヤシ類などを挙げることができます。
これらが商品としてスーパーの砂糖コーナーに並ぶ際は、「てんさい糖」や「ビート糖」などというように、植物の名前がそのまま商品名となっていることが多いです。

・製造法によって分ける方法
原料の食物が何であるかにかかわらず、製造法で砂糖を分類すると、「分蜜糖(ぶんみつとう)」と「含蜜糖(がんみつとう)」に分けることができます。
分蜜糖とは、サトウキビやてんさいなどの原料の搾り汁からショ糖を含む糖蜜を分離したもので、含蜜糖とは、糖蜜を含むものです(下表参照)。

表: 下肢閉塞性動脈硬化症の病期と症状

【参考資料】
・表については、農林水産省ホームページ「知っていますか? いろいろな砂糖」参照
・本文については、糖業協会「砂糖百科」(2003年)参照

■一日に砂糖をどのくらい摂っていますか?

・WHOによる砂糖の摂取量について
砂糖などの糖類の摂取量については、2015年に世界保健機関(WHO)が指針を発表しています。それによると、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとされています。平均的な成人で1日およそ25g(ティースプーン6杯分)の計算です。
ちなみに、WHOが制限を推奨する「砂糖などの糖類」というのは単糖類と二糖類のショ糖(砂糖)に限ります。ここに果物や野菜、牛乳に含まれる糖分は含まれません。
WHOが強調したのは、一見甘いものとみなされない食品に潜んでいる砂糖の存在です。特に、加工食品や清涼飲料に加えられている砂糖は要注意です。たとえば、500mlのペットボトル炭酸飲料には50〜60gもの砂糖が含まれています。WHOの1日の基準の実に2倍以上です。

【参考資料】
WHOのガイドライン“Sugars intake for adults and children”

・「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」「ノンシュガー」の正しい理解
「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いたもので、「糖類」とは、糖質から多糖類と糖アルコールを除いたものです。
つまり、「糖類ゼロ」だとしても「糖質ゼロ」ではありません。
また、「ノンシュガー」というのは食品100g(飲料100ml)あたり、単糖類(ブドウ糖や果糖など)及び二糖類(ショ糖※、乳糖、麦芽糖など)が0.5g未満のことで、厳密に言うと「ノン」ではないのです。

  • ※ショ糖は砂糖の主成分

では、ノンシュガーと表示されている食品や飲料が甘く感じるのはなぜでしょう? それは次に述べる何らかの甘味料の働きによるものです。

・甘味料について
甘味料とは食品に甘みをつけるために用いられる調味料のことで、植物や果実などに含まれる甘み成分を使った天然甘味料と、人工的に化学合成された人工甘味料とがあります。
人工甘味料のなかでもアスパルテームは、清涼飲料水によく使われており、甘さは砂糖の約200倍とされています。

【参考サイト】
東京都福祉保健局サイト内「食品衛生の窓」

このように強い甘みを繰り返し味わっていると、甘みを感知する味蕾(みらい)の働きが鈍化し、食欲が増します。加えて、人工甘味料の依存性により、この甘さがやめられなくなります。ノンシュガーだからといって油断しないようにしましょう。

■砂糖依存症にならないために

私たちは、疲れたときやシャキッと元気を出したいときに甘いものが欲しくなります。実際に糖質が不足すると、疲労感を味わったり、集中力が落ちたりします。
砂糖は摂るとすぐにブドウ糖になり、すばやく脳のエネルギーとなります。さらに、砂糖とタンパク質を同時に摂るようにすると、脳の働きをよくする神経伝達物質のひとつ「セロトニン」の合成を促します。
また、セロトニンは精神をリラックスさせる働きもあります。

【参考資料】
農畜産業振興機構「砂糖は安心な自然食品」

ただし、砂糖による快感を繰り返して過剰摂取していると、砂糖依存症に陥る危険があるので注意が必要です。症状としては、甘いものが切れるとイライラしたり、うつの様な症状を示したりします。
食品に含まれる砂糖の量をしっかり把握し、WHOの示した1日25gという基準を意識した食生活を送りましょう。

食品に含まれる砂糖の量を把握するためには、食品のラベルやパッケージに印字されている栄養成分表示をチェックしましょう。お菓子や飲料の場合は「炭水化物」の量が砂糖を含めた糖質の総量を表します。
また、砂糖は食物繊維と一緒に摂ることをおすすめします。食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする働きがあるので、一緒に摂ると少しずつ糖をエネルギーとして使ってくれます。

いかがでしたか?
砂糖は私たちの体や心にとってなくてはならない大切なものですが、摂りすぎてしまうことで逆に体や心を壊してしまうことにもなりかねません。
長く楽しく付き合っていけるよう、程よい距離感を保ちましょう。

(執筆者:萩原有紀)

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