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健康コラム

Vol.90

早期発見・早期治療でストップ!大腸がん

2021.12.01

増加傾向が続き、罹患数トップ、死亡数2位に

大腸がんはかかる人、死亡する人の数ともに増加傾向が続いているがんです。国立がん研究センターがん情報サービスの2021年のがん統計予測によると、年間の罹患数は15万6700例で全がんのなかで1位(男性3位、女性2位)、死亡数は5万3800人で2位(男性2位、女性1位)となっています。他の主要ながんと比べると、死亡率が比較的低いがんですが、罹患数が増えているため、死亡者数も高止まりしているのが現状といえるでしょう。

大腸がんが増えている原因のひとつは食生活の変化です。かつては主食のご飯に魚介や海藻、豆腐、野菜などの副菜と汁物といった和食の献立が多かった日本の食卓ですが、近年は肉類を中心とした動物性たんぱく質、動物性脂肪が多い欧米型に変わっています。その結果、腸内細菌が有害物質を出してがんの発症を促したり、便の滞留時間が長くなって発がん物質が生じやすくなったりしていると考えられています。

また、交通手段の発達などによって運動不足の人が増えていること、仕事などでストレスを抱える人が増えていることも要因でしょう。
大腸がんのリスク要因としてはこのほか、喫煙や多量の飲酒、肥満も挙げられます。さらに加齢もリスク要因で、大腸がんの場合、40歳代から罹患者が増え始めており、この年代より上の層は要注意です。

大腸がん危険度チェックリスト

さて、今回取り上げている大腸は全長10メートルほどある消化器の最後尾に位置し、小腸から送られてきた内容物から一部の栄養素と水分を吸収した後の残りかすを便にする、そしてその便を貯留するという2つの役割を有しています。

大腸は大きく結腸と直腸の2つに分かれ、大腸がんはその2つにできるがんの総称です。大腸がんのうち約4割は直腸に、約2割は結腸のうち直腸に近い部分に位置するS字結腸に発症しており、計6割ほどが便と接する時間が長い肛門に近い部位にできています。

早期に発見すれば100%近く完治が可能

大腸がんは一般に、おとなしくて治りやすいがんといわれています。早期に発見すれば、内視鏡や手術(外科治療)による切除で100%近く完治するためです。実際、大腸がんの5年相対生存率(2009~2011年診断例)は71.4%で、肺がん(34.9%)や胃がん(66.6%)、全部位のがん(64.1%)より良好な結果となっています。

  • ※罹患数は「新たに発生したがんの数」と定義されており、同一の人に複数のがんが診断されることがあるため、単位は人数ではなく症例数となります。
福長 洋介

監修/福長 洋介

がん研有明病院消化器センター長・大腸外科部長。大阪市立大学医学部を卒業、同市立総合医療センターなどを経て現職。近著に『大腸がん』(主婦の友社)。

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