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健康コラム

Vol.113

外来・入院治療でかかるお金の話

2023.11.01

入院は治療費用に加え食事や差額ベッド代も

今回は、病院や診療所などの医療機関で治療を受けたときにかかるお金についてご紹介したいと思います。

最初は外来診療です。まず、初回の診療時に支払う「初診料」、2回目以降の診療時に支払う「再診料」(診療所や一般病床200床未満の病院)、「外来診療料」(一般病床200床以上の病院)があります。これは「基本診療料」と呼ばれるもので、診療を受ける際に必ず発生する費用になります。

なお、一般病床200床以上の地域医療支援病院などを他の医療機関の紹介状なしで受診すると、原則として初診7,000円、再診3,000円(医科の場合・税別)の特別料金がかかりますので注意が必要です。医療機関の診療時間外や休日、深夜に診察を受けた場合、6歳未満の乳児が診察を受けた場合も別途料金が加算されます。

これに画像検査や注射・点滴、投薬、処置など行った治療内容によって「特掲診療料」が積み上げられていきます。このように、外来診療にかかるお金は「基本診療料」に加算がある場合はそれを加え、さらに「特掲診療料」を足して算定されることになります。

入院治療(一般病床)を受ける際にかかる主な費用

一方、入院治療の場合も基本料金が必要です。一般病床に入院する場合の「入院基本料」、救急救命入院料や特定集中治療室管理料など特定の目的をもった病床に入院する場合の「特定入院料」の2つがあり、入院基本料は看護師の配置や入院日数によって単価が異なります。入院した病棟の機能などによってはこの基本料に別途料金が加算されることもあります。

通常は外来治療と同様、これに画像検査や手術、放射線治療など実際に行われた治療内容に応じた特掲診療料を加算。さらに毎日の食事療養費も加わります。これは1食あたり640円(流動食を除く)と定められており、このうち460円が患者負担分です。

このほか、個室や少人数の部屋に希望して入院する場合は差額ベッド代が必要で、全額自己負担。また、医療機関に支払うお金ではありませんが、家族などの見舞いや付き添いに伴う交通費や日用品の購入費も必要です。

入院した場合、こうした費用の積み重ねで、想像以上にお金がかかる場合もあるようです。生命保険文化センターの「2022年度生活保障に関する調査」によると、過去5年間に入院した人の自己負担費用(高額療養費制度利用後)の平均は19.8万円でした(平均入院日数は17.7日)。病気への備えの参考にしてください。

木村 憲洋

監修/木村 憲洋

医療施設勤務を経て高崎健康福祉大学健康福祉学部医療情報学科教授。専門は医療管理学・医療系社会学。

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