まず命にかかわる二次性頭痛を鑑別
- 各コラム内の情報は掲載当時の情報です。
周囲の人に理解されにくい 一次性頭痛患者の苦しみ
大規模な疫学調査により、日本国内に約4000万人もの患者がいると推定されている慢性頭痛。頭痛には大きく、一次性頭痛と二次性頭痛があり、慢性頭痛とは一次性頭痛とほぼ同義語で、他に原因となる病気が存在せずに、発作を繰り返すタイプの頭痛の総称。その代表格として知られるのが片頭痛です。
一方の二次性頭痛は、脳や頭部に起きる別の病気の症状として出てくるタイプの頭痛で、症候性頭痛とも呼ばれます。頭痛の治療ではまず、この二次性頭痛ではないかどうかを確認することが非常に大切とされています。というのも、二次性頭痛を引き起こす原因には、脳の血管の病気や腫瘍など危険な病気が多く含まれているからです。
なかでも危険なのが、突発的な痛みが起きてから1分未満で、その強さがピークになる「雷鳴頭痛」と呼ばれる頭痛。この場合、くも膜下出血や脳梗塞などの脳卒中を発症している可能性があり、早期に治療を開始しなければいけません。これらの病気は診断が30分遅れるだけで治療が間に合わず、命を落とすことがある半面、早く診断して早期に治療を開始するほど、救命率は上がり、後遺症のリスクも減らせます。これが突発的な頭痛が要注意とされるゆえんです。
一方の一次性頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)、その他の一次性頭痛疾患に分類されます。患者の数が最も多いのは緊張型頭痛なのですが、医療機関を受診する人は片頭痛が最も多く、約80%を占めています。一般に片頭痛は症状がつらいうえ、コントロールするのが難しく、しばしば慢性化します。
前述のとおり、一次性頭痛(慢性頭痛)の症状がある人は約4000万人とも推測されており、ありふれた病気といえるでしょう。しかし、その症状や重さは一人ひとり異なり、頻繁に訪れる発作に長年、苦しんでいる人もいます。鎮痛薬を飲んでも効き目が薄く、吐いたり、寝込んだりし、頭痛に襲われる恐怖からうつ傾向になってしまう人も少なくありません。
それでも、職場の上司や同僚をはじめとした周囲の人たちになかなか、その苦しさを理解してもらえず、頭痛のつらさと周囲の理解を得られないことで二重に苦しめられている人が多くいます。
近年、頭痛外来を掲げた医療機関が増えているのは、そうした人たちにとって朗報です。ただ、現状では命の危険がある二次性頭痛かどうかの鑑別だけにとどまる頭痛外来も少なくないように見受けられます。頭痛に苦しんでいる人は、きちんと一次性頭痛に向き合って治療してくれる頭痛外来を見つけることが頭痛改善への第一歩といえるでしょう。