検索

マネーコラム

Vol.54

介護保険、2018年8月から高所得者が3割負担に!

2018.07.01

2018年8月から、介護サービスの自己負担額が高所得者は3割にアップします。今回は変更される自己負担額と、自己負担額を軽減する制度について整理しておきましょう。

●介護保険法の改正で高所得者は3割負担

介護が必要になったときは、市区町村で要介護認定を受け、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらって介護サービスを利用します。認定された要介護度(要支援1~2、要介護1~5)により、利用できるサービスの限度額が決まっています(表1参照)。

これまでは、「現役世代並みの所得がある人」(2割負担)とそうでない人(1割負担)の2区分でしたが、2017年度の介護保険法改正により、2018年8月より「現役世代並みの所得がある人」の利用者負担割合が見直され、特に所得の高い層の負担割合が3割にアップします。

所得の目安は、2割負担が合計所得160万円以上で、なおかつ単身世帯であれば、年金+他の所得が280万円以上、65歳以上が2人以上の世帯では、年金+他の所得が346万円以上でした。新たに加わる3割負担では、合計所得220万円以上で、なおかつ、単身世帯で年金+他の所得が340万円以上、65歳以上が2人以上の世帯で年金+他の所得が463万円以上となります。

2016年のデータに基づく厚生労働省の予想では、介護保険利用者約496万人中、2割負担が約45万人(9%)、3割負担が約12万人(3%)とのことでした。

表1 居宅サービスの支給限度額と自己負担額

●介護の負担を軽減する「高額介護サービス費」

高所得とはいっても、3割負担への引き上げは長期的な家計への影響が心配になりますが、実は自己負担額を軽減する仕組みがあるのです。それが「高額介護サービス費」です。医療保険でいうところの「高額療養費」に該当します。

「高額介護サービス費」(表2)で決められた自己負担額を超えると、超えた分が払い戻される仕組みです。ただし、これの対象になるのは介護サービスを受ける際の自己負担額のみ(1~3割)で、福祉用具購入費や住宅改修費の自己負担分や、在宅サービスの上限額を超えて全額自己負担で受けた分、施設サービスの居住費や食費など、介護保険から給付されない利用者負担分などは対象外です。

この高額介護サービス費も2017年に見直され、かつては「一般」区分で37,200円だったものが44,400円に上がりました。ただし、2017年8月からの3年間は、「年間上限446,400円」という暫定措置もあります。一方、「現役並み所得者(課税所得145万円)」は44,400円なので、2018年8月から3割負担になる人にとっても44,400円が上限で変わりません。

そのため、3割に上がっても、すぐには負担増にはなりません。例えば、要介護3で上限額まで介護サービスを利用した場合、2割負担で月53,862円、3割負担で月80,793円ですが、高額介護サービス費のおかげでいずれも実質の負担は月44,400円で済みます。「すぐには」と書いたのは、いずれはこの高額介護サービス費を引き上げてくると予想されるためです。

表2 高額介護サービス費

●介護にかかる費用の目安額は?

老後資金とは別に、介護のための資金もしっかり準備が必要な時代といえますが、どれくらいの準備が必要なのでしょう。介護にかかる費用の目安についても整理しておきましょう。

生命保険文化センター「生命保険に関する実態調査(平成27年)」によると、住宅リフォームや介護施設への入居金など「一時的な費用」は平均80万円かかり、「月々の費用」は平均7.9万円です。要介護期間の平均は4年11か月のため、単純に計算をすると、80万円+7.9万円×59か月=546.1万円。データで見た場合、少なくとも500万円程度は介護資金として準備をしておくことが安心につながります。

介護は在宅介護か施設介護かによっても、準備すべき金額は異なります。住宅を売却して資金を作る、貯蓄や投資で用意する、民間の介護保険や終身保険などで準備をするなど、方法はいくつかあります。高負担化の波は避けられませんので、「こんなはずではなかった」とならないよう、しっかり自身の介護に備えておきたいものです。

バックナンバー

全てを表示閉じる