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健康コラム

Vol.65

趣味と健康の関係性

2019.11.01

趣味を楽しんでいる人は健康そうに見えます。それはどうしてなのでしょうか? もちろん、健康だからこそ趣味を楽しめるのでしょうが、趣味を楽しむことが、さらなる健康をもたらすとしたら?
今回は、いくつかの調査・研究結果を参考にしながら、趣味を持つことが健康に与える影響についてご紹介したいと思います。

■あなたの趣味は何ですか?

みなさんは趣味をお持ちですか?
自分が心から楽しめる事柄は何かについて、これを機に考えてみてください。

参考までに、リサーチ会社アスマークが2014年に行った「趣味に関する調査」における趣味の上位ランキングをご紹介します。

趣味の上位10位(株式会社アスマーク調べ)

■趣味が健康に与える効果

趣味の時間は楽しいものですが、調査や研究でその効果も証明されています。

・趣味の効果①:リラックスできる
イギリスの大学の研究*1によると、たった6分の読書でストレスの3分の2以上が軽減されるそうです。読書の際に必要な集中力が筋肉の緊張をほぐし、心拍数を下げ、リラックスさせるからで、音楽鑑賞やコーヒータイムよりも高いリラックス効果があるとされています。

このようなリラックス状態というのは副交感神経が優位となっています。何かとストレスが多い現代人は、緊張状態である交感神経優位になりやすく、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、大きな病気を引き起こしかねません。このバランスを保つためにも趣味は有効のようです。

※なお、交感神経と副交感神経の働きに関しては、Vol.36「日記を書くだけで健康になれる?!」も合わせてお読みください。

・趣味の効果②:孤立を防ぐ
リタイア後に急に自分の時間ができた人が、「毎日何をしていいのかわからない」と言っているのを聞いたことがあります。特に会社中心の生活をしてきた人は、リタイアすると外出の頻度が減り、人と話すことも少なくなり、一気に老け込むことがあります。リタイアという大きな環境の変化に加え、精神的・肉体的衰えから、うつ病や痴呆症などを発症することも心配されます。

東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典研究部長の研究グループは、日常の生活に問題のない健康な高齢者であっても、社会的孤立と閉じこもり傾向が重積している人は、どちらも該当しない人に比べて6年後の死亡率が2.2倍高まると発表しています。*2

家族や地域の人たちと一緒に楽しめるような趣味を持てれば、社会的孤立や閉じこもりを防ぐことができます。

・趣味の効果③:健康寿命を延ばす
趣味や生きがいを持つことが健康に良い影響を与えることは多くの研究によって証明されています。そのうちの一つ、日本疫学会誌に掲載された、趣味と健康の関係性を調べた研究結果をご紹介します。

この研究は、趣味や生きがいを持つことが、ADLやIADL(※)の低下を防ぎ、健康寿命を延ばすと結論づけています。趣味を持っていると、身体的活動量が多くなり、自立するために必要な神経回路網や筋骨格能力などが強化される可能性があるというのです。

老後の自立度をはかる指標

ちなみに、この研究においても、趣味や生きがいがストレスを和らげるということが言われています。*3

■経済的・身体的変化に備える

趣味の中には多くの費用がかかるものもあります。そのため、例えば、会社員時代は旅行が趣味だったという人でも、老後資金が心配でリタイア後の旅行は躊躇してしまう、という人もいるでしょう。リタイア後でも趣味を楽しめるよう、セカンドライフの生活設計をする際には、趣味にかかるお金も考慮しておきましょう。

また、いま楽しんでいる趣味でも、今後もずっと楽しめるとは限りません。
たとえば、冒頭の調査で上位にランクインしている「読書」に関しては、「若い頃は読書が大好きだったけど、歳とともに目が見えにくくなって読書が苦痛になってきた」という声も聞かれます。ほかにも、「会社員時代はゴルフが趣味だと思っていたが、退職してからはやろうと思わない。結局は仕事のためだったのかな」という声も。

趣味を複数持っておくということも大事な備えになるでしょう。

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  • *1 Reading ‘can help reduce stress’ The Telegraph,30/Mar/2009
  • *2 国際科学雑誌「International psychogeriatric」Co-existence of social isolation and homebound status increase the risk of all-cause mortality、オンライン版掲載、2018年
  • *3 Kimiko Tomioka, Norio Kurumatani, and Hiroshi Hosoi “Relationship of Having Hobbies and a Purpose in Life With Mortality, Activities of Daily Living, and Instrumental Activities of Daily Living Among Community-Dwelling Elderly Adults.” Journal of Epidemiology,2016

(執筆者:萩原有紀)

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