患者数が最も多い緊張型頭痛
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慢性化すると生活の質が低下 市販薬の飲み過ぎにも注意
一次性頭痛のなかで最も患者数が多いのが、緊張型頭痛です。痛みの特徴としては、頭部の左右両側が圧迫されたり、締め付けられたりするような痛みを感じ、夕方や週末などに悪化する人が多いようです。また、肩や首の凝り、目の痛み、浮遊性のめまいや疲労感などを伴うことが多いのも特徴です。痛みは30分で治まることもあれば、7日ほど持続することもあります。
発作の頻度によって「反復性」と「慢性」に分かれ、反復性はさらに「稀発反復性」と「頻発反復性」に分類されます。最も頭痛の発作の頻度が少ない「稀発反復性」の場合、その頻度は3か月を超えて平均1か月に1日未満(年間12日未満)。次いで「頻発反復性」が同1か月に1日以上、15日未満(年間12日以上、180日未満)、「慢性」が同1か月に15日以上(年間180日以上)です。
原因は、肩や首の筋肉の緊張(凝り)に起因するケースが多く、長時間のパソコンやスマートフォンの利用、姿勢の悪さ、ストレスなどがきっかけになる可能性が高いのですが、慢性の緊張型頭痛の場合は、中枢系の支配が関与します。すなわち、脳内で痛みを抑制する経路が働きにくくなっているため、筋肉をほぐすだけでは解消しないのです。
一般的には、片頭痛に比べて日常生活への支障が少ない頭痛ですが、つらいときは我慢せず専門医療機関を受診しましょう。というのも、市販の鎮痛薬に頼り過ぎると、薬物の使用過多によるMOHという頭痛を引き起こし、症状を悪化させる可能性があるためです。
痛みが出ている急性期は鎮痛薬による薬物療法が治療の中心。慢性型の緊張頭痛の場合はストレスやうつ病を患っていることが多いため、抗うつ薬・抗不安薬などの薬物療法や非薬物療法で、予防にも取り組みます。適度な運動や入浴、リラックスできる趣味に取り組むなどのセルフケアも有効です。
一次性頭痛ではこのほか、目の奥やその周囲への強烈な痛みと、涙や鼻水などを伴う三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)という頭痛もあります。このタイプの頭痛で有名なのが群発頭痛。目の周囲から前頭部や側頭部にかけての激烈な頭痛が、2日に1回程度から1日に8回程度起き、数週間~数か月間続きます。発作は夜間や睡眠中に起きやすいのが特徴です。一般的な鎮痛薬では痛みが治まりにくいため、効果の強いトリプタン製剤のなかでも、短時間で作用する点鼻薬や皮下注射が処方されます。
これまで述べてきたように、つらい頭痛も適切な治療を受ければ、良い方向に向かいます。悩んでいる人はぜひ、専門性の高い頭痛外来を受診してください。