Vol.146
健康コラム

患者数も多い代表的な2つの膠原病

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適切な症状コントロールで社会生活を送ることが可能に

膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスは国の指定難病で、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は約6・7万人(2024年度末)ですが、未受診や未申請の人も少なくないとみられており、実際はその2倍近い患者が存在しているとの推定もあります。患者の9割以上を女性が占め、とくに20~40歳代の女性に多い病気です。

主な症状は発熱・だるさ・関節の痛み・食欲不振・体重減少、そして蝶が羽を広げた形に似た皮膚への発疹(蝶形紅斑)など。進行すると、腎臓や神経、血液などに異常が生じることもあります。詳しい原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因に加え、ウイルス感染や紫外線など環境的な要因が指摘されています。

完治させる治療法はありませんが、寛解を目指して過剰な免疫を抑え、病気をコントロールします。以前は副腎皮質ステロイドが中心でしたが、長期使用により骨粗鬆症など多くの副作用が起きるため、最近は免疫調節薬ヒドロキシクロロキンを基本的な治療薬とし、免疫抑制薬や生物学的製剤を組み合わせることで、ステロイドをなるべく早く減量し、可能であれば中止する治療が行われています。寛解が難しい場合でもなるべく病気を抑えるよう治療薬を選択します。

ただし、患者ごとに症状や程度が多様なため治療や経過も異なり、また再び症状が悪くなる再燃が起こりやすいため、薬物治療は長期間行われます。治療の進歩や合併症の管理の向上により、現在は治療をしながら普通の社会生活を送れるようにすることが現実的になっています。

目や口が乾くドライアイ・ドライマウスが主症状のシェーグレン症候群も国の指定難病で、受給者証所持者数は約2・1 万人(2024年度末)。それを含む患者数は約7万人とされていますが、実際にはもっと多いとの推計もあります。女性に多く、好発年齢は40~60歳代です。

症状は涙の量が減ることによる目の渇きや痛み、唾液の分泌量が減ることによる口腔乾燥やう歯(むし歯)などに加え、耳下腺の腫れ、倦怠感、関節の痛みなど。一部の患者には肺や腎臓、神経などにも病気が現れることがあります。

根本的な治療法はなく、乾燥症状を緩和する対症療法が中心。ドライアイには点眼薬に加え、涙の排出口(涙点)に栓を施す涙点プラグが行われることがあり、ドライマウスには、歯科での口腔ケア、唾液分泌促進のための内服薬と唾液補充の人工唾液を使用します。ほかの膠原病に合併することが多く、まれに内臓の病変が見られることもあるので、長期間経過を観察する必要があります。

これら2つの病気では現在、多くの新しい薬剤の開発が行われています。

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田村 直人

順天堂大学医学部膠原病内科学教授。日本リウマチ学会理事。1987年順天堂大学医学部卒。