脳の血管が「詰まる」「破れる」病気の総称
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高血圧や糖尿病、メタボによる血管への負荷が重大危険因子
「脳卒中」とは脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の組織が障がいを受ける病気の総称で、脳血管疾患とも呼ばれます。今でも年に10万人を超える人が亡くなり、死亡原因の4位を占める病気です(厚生労働省「2024年人口動態統計(確定数)の概況」より)。また、仮に命を取りとめたとしても後遺症が残ることも少なくありません。
ただ、治療技術の進歩により、発症後、なるべく早く適切な処置をすれば、救命は可能で、後遺症も最小限に抑えることが可能になってきています。また、そもそもの発症や一度発症した後の再発に関しても、生活習慣を改善することで一定の予防効果が期待できます。
脳卒中は、大きく脳の血管が詰まる虚血性脳卒中と脳の血管が破れる出血性脳卒中に分かれ、前者に含まれるのが脳梗塞、後者に含まれるのが脳出血(脳内出血)とくも膜下出血。この3つの病気で、脳卒中の8割以上を占めます。
このうち、脳卒中全体の7割近くを占める最多の病気が脳梗塞。脳の血管内に血液の塊である血栓ができたり、血管が硬くなって弾力性が失われる動脈硬化によって、細い血管が狭くなるなどして血管が詰まり、その先への血流が途絶えることで、脳の細胞が壊死します。
一方、1割強ほどを占める脳出血は、動脈硬化によってもろくなった脳の動脈が破れて出血する病気。出血した血液が固まって脳の神経を圧迫します。
最後の1つであるくも膜下出血は脳卒中に占める割合こそ4%弱程度にとどまりますが、発症者の死亡率は3つのなかで最も高いとされている危険な病気です。脳の血管が分岐する部分などにできるこぶ(脳動脈瘤)が破裂し、くも膜下腔という部分に血液が広がって脳を圧迫。よく「バットで殴られたような」と形容される、激しい頭痛に突然襲われるのが大きな特徴です。
それぞれに固有の特徴を有する病気ですが、脳卒中全体に共通する要因もあります。1つは脳卒中の危険因子とされる基礎疾患(=生活習慣病)をもっている患者が多い点です。代表格が高血圧。動脈硬化を促進し、血管に強い圧力をかけ続けることによって脳卒中を起こしやすくし、とくに脳出血にとっては大きな危険因子といえます。
このほか、糖尿病や脂質異常症、生活習慣病の前段階といえるメタボリックシンドロームなども、同様に動脈硬化を促進させる危険因子。また、不整脈の一種である心房細動は、心臓でできた血栓が脳の動脈を詰まらせるタイプの脳梗塞の危険因子とされています。これらの病気の予防や適切な病状管理が、脳卒中予防にとっては非常に大切です。