大樹認知症サポートサービス

認知症情報 vol.10 2022.1

2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると予想されています。認知症は誰もがなり得るものであり、家族や身近な人が認知症になることなども含めて、多くの人にとって身近なものになっています。
認知症の予防に取り組んだり、認知症になった場合に備えるためには、正しい知識と十分な情報が必要になります。大樹生命は、認知症に関する最新の情報をお届けいたします。

コロナ禍における“認知症予防の考え方”

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が国内で猛威を振るい始め、早2年が経とうとしている中、コロナ禍において認知機能が悪化しやすいことが明らかになってきました。コロナ禍における認知機能への影響について正しい知識を得ることで、認知症予防の取り組みも見直していきましょう!

コロナ禍で認知症発症率が増加、症状も進行

実は、すでに、対人接触が乏しい人は「アルツハイマー型認知症」の発症率が高くなることが明らかになっているのです。そして、このコロナ禍においても、格段に対人接触が乏しい環境となってしまいました。

  • ・外出ができないため身なりを整えなくなる
  • ・生活リズムが崩れる
  • ・運動量が減り食事が進まず、夜眠れない
  • ・生活の変化により、溜まるストレス
  • ・知的活動が減って意欲減退 …

これでは、特に重症化リスクのあるご高齢の方がステイホームに努められるあまり、認知症リスクが高まってしまいます。
コロナ禍以前より、正常な方であっても年1~2%、軽度認知障がい※(MCI:正常と認知症の中間)の方では年10~30%が認知症に進行すると言われていましたが、コロナ禍ではこの割合が増加していると考えます。

  • ※生活を改善すれば認知症への進行を食い止めることができると考えられています。
新型コロナウイルス感染後遺症 ~脳の霧=ブレインフォグ~

ようやく実態が明らかにされつつある後遺症です。
嗅覚、味覚の障がい、頭痛、脱毛、微熱、咳、強い倦怠感など様々な症状を抱えていることが明らかにされており、若い世代も苦しんでいます。こうした症状自体が、集中力や思考力の低下を招く場合もあります。

そして、ブレインフォグ=脳に霧のかかったような状態を訴える方がいます。
人の話が聞けない、マルチタスクが難しい、適切な言葉が出てこないなど、記憶障がい、集中力や思考力の低下がみられます。詳しい因果関係は解明されていませんが、ウイルス感染により脳に炎症が起き、神経細胞へのダメージが起こることが考えられています。

コロナ禍における認知症予防のポイント

●物理的な距離を超えて、人との関わりを保とう

電話やテレビ電話、お手紙でもよいでしょう。
物理的な距離を超えて、心の距離を縮めていきましょう。
一人暮らしの方もいらっしゃると思いますが、日々、人との関わりを持つようにしましょう。

●コロナ禍でも早期発見・早期対処が鍵

コロナ禍の自粛生活で受診をためらう方も増えました。
しかし、やはり認知症は早期発見・早期対処がその後の人生を左右します。
今は、感染対策をしっかりと行いながら医療を提供する体制が整えられてきておりますので、定期検診は必ず受けていただくことをお勧めします。

●後遺症専門外来を活用しよう

新型コロナウイルスに感染した後に不調が続く方が増えています。
そのような場合には迷わず後遺症専門外来を活用しましょう。
専門的に診察、精査、ひとりひとりの症状にあった治療を行っています。

●生活にメリハリを

毎日、日の光を浴びていますか?
1日3食、夜には眠る、お風呂に入る、身なりを整える、適度な運動、自粛生活によって基本的な生活が乱れないような工夫が必要です。
実際に、コロナ禍で毎日の体温測定が習慣化された方もいるのではないでしょうか。
このように、習慣は変えられるのです。毎日のルーティンをお友達と作ってみる、22時~2時は寝ると決めて目を瞑る。生活にメリハリをつける“自分の”ポイントを考えてみてください。
また、閉鎖空間にいるストレス、不眠、運動不足などは、老化や病気の根源となる錆び(酸化ストレス)ができやすい状態です。錆びない体づくりにサプリメントなどを生活に取り入れるのもいいでしょう。

感染予防のためのコロナ禍生活である一方、病気にとってはとても居心地のいい環境になっています。新型コロナウイルス感染予防はもちろん大切ですが、コロナ禍の生活にも負けないからだづくりをしていきましょう。

  • ※医師の診断や治療法については、各々の疾患・症状やその時の最新の治療法によって異なります。当記事がすべてのケースにおいて当てはまるわけではありません。
  • ※当記事の内容は、上記発行年月時点の情報に基づき記載しております。発行後の法令・制度等の改正、医療の状況の変化等は考慮しておりませんのでご注意ください。

掲載記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。
また、診断や治療を必要とされる方は、適切な医療機関を受診の上、医師の指示に従ってください。
本情報に関して発生した損害等について、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

記事の著作者/メディカルリサーチ株式会社
監修/医師 佐藤俊彦先生

◼️宇都宮セントラルクリニック(UCC)理事
◼️セントラルメディカルクラブ(CMC)顧問医
◼️医療法人社団NIDC セントラルクリニック世田谷 理事長
◼️メディカルリサーチ株式会社 顧問医